プレゼント 書評こぼれ話

  さあ、「とと姉ちゃん」が始まりましたよ。
  あ、NHK朝の連続テレビ小説の話です。
  何しろ、先週まで放映していた
  「あさが来た」は今世紀にはいってからの
  朝の連続テレビ小説の中で
  最も高い視聴率だったそうで
  当然期待は次の「とと姉ちゃん」にも
  集まっています。
  主人公の「とと姉ちゃん」を演じるのは
  高畑充希(みつき)さん。
  彼女は以前の朝ドラ「ごちそうさん」でも
  出演していましたね。
  ミュージカルもこなす舞台女優としての実績も
  あるくらいですから
  期待大です。
  昨日第1回めを見ましたが
  昭和の雰囲気がいっぱいの作品に
  なるのでしょうか。
  そこで今日は「とと姉ちゃん」のモデル
  「暮しの手帖」の大橋鎭子さんの
  『「暮しの手帖」とわたし』という自伝の
  再録書評を紹介します。
  でも、やっぱり少し
  「あさが来た」ロスです。
  最終回の録画を消せないでいます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  とと姉ちゃんを楽しむために(原題 女性はいつだって強い)                   

  「私たちは、いま、暮しのことを、女だけの領分とは考えていません。男も、子供も老人も、みんな、とにかく毎日暮しているのですから、その暮しを、すこしでもよくしてゆこうというには、男も、子供も、老人も、女のひとと一しょにやってゆかなければ、なかなかうまくゆかないものだ、と思っています」
 これは、昭和33年、雑誌「暮しの手帖」の「編集者の手帖」という編集後記に、本書の著者であり暮しの雑誌社の創業者である大橋鎭子さんが書かれた文章の一部です。
 戦後女性と靴下は強くなったといわれたのは昭和28年頃だそうですが、そうはいっても昭和33年といえば、まだまだ男性の地位が高かった時代といってもいいでしょう。そんななかで、この大橋さんの文章は時代の先を鋭く読みといた、いい文章です。こういう信念があったからこそ、雑誌「暮しの手帖」は多くの読者から高い支持をえてきたのだと思います。

 「暮しの手帖」といえば花森安治さんという名編集長がいたことは有名です。戦中から戦後をたくましく生きた大橋鎭子さんという出版人の半生を読むとき、やはり花森安治さんとの出会いはまず初めにあります。二人が出合わなかったら、「暮しの手帖」という雑誌は生まれなかったでしょうし、大きな視点でみれば戦後のありようも少し違ったかもしれません。
 大橋さんはそれを「運命的な出会いだった」といい、その頃まったく別な職業に就こうとしていた花森さんを「暮しの手帖」へと導いた、それは「タイミングと決断が大事」だということだとふり返っています。

 もちろんすべてが順調だったわけではありません。それは人気雑誌「暮しの手帖」であってもそうです。それなのに、大橋さんが綴る半生にはちっとも湿っぽいものもありませんし、暗澹となることもありません。きっと女性社長としてたくさんの苦労もあったはずなのに。
 そういう突き抜ける明るさが大橋さんのバイタリティにつながっているのではないでしょうか。
 「暮しの手帖」といえば、花森さんの功績が目立ちますが、大橋さんの明るさや思いやりが底流にあればこそ、昭和23年の創刊からずっとつづいているように思えます。
 編集長だったの松浦弥太郎さんの「今日もていねいに。」という言い回しも、大橋さんのそんな気持ちが受け継がれているのでしょう。

 「ささやかな、それでいて心にしみてくる」というのは花森安治さんが「暮しの手帖」の人気記事「すてきなあなたに」が単行本になったとき書いた宣伝文ですが、大橋さんのこの本も、まったくそのとおりにできたすてきな一冊です。
  
(2010/07/17 投稿)

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