プレゼント 書評こぼれ話

  今年の初め
  東京・弥生美術館
  昭和の絵師とよばれた上村一夫
  没後30年回顧展「わが青春の『同棲時代』 上村一夫×美女解体新書展」があった。

   回顧展に行った時の記事はこちらから。

  上村一夫が亡くなって30年。
  その歳月に
  感慨深いものがある。
  おそらくその企画と連動しているのだろうが
  松本品子さん編の『上村一夫 美女解体新書』を
  今日は紹介します。
  上村一夫の絵の魅力を
  存分にとはいきませんが、
  何しろ上村一夫の作品には
  かなりエロティックなシーンもあって
  そういうことを全部含んで
  上村一夫の魅力なんですよね。
  上村一夫の作品は
  今でも十分通用すると思うのですが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  上村一夫は青春だった                   

 上村一夫(かみむらかずお)。漫画家。代表作に「同棲時代」「修羅雪姫」など多数。「昭和の絵師」とも称された。1986年(昭和61年)、45歳で逝去。
 それから、30年という月日が過ぎたのか。
 漫画が日本文化の中核となった現在、上村の業績や絵柄を知らない人の増えた。
 思えば、上村が「同棲時代」で一躍人気漫画家になったのは1972年(昭和47年)以降のことだ。
 その絶頂期間は10年あまりしかない。
 しかし、自身のことを振り返れば、なんと印象深い漫画家であっただろう。

 今、上村の業績を振り返るこの本を手にして、一篇の漫画にたどりつく。
 「週刊少年マガジン」の1970年10月18日号に掲載された「完全なる答案用紙」だ。
 高校一の美少女と彼女を取り巻く男子高校生を描いた作品で、主人公山根順子の醒めた視線に痺れたものだ。
 この作品は私が15歳の時のもので、同じ雑誌に「鶏頭の花」という、上村らしい官能的な作品もあったことを思い出す。
 「少年マガジン」という漫画週刊誌が当時子どもだけでなく、青年と呼ばれる世代も取り込もうとしていたことがよくわかる。
 上村の作風はもう少し高い。
 それでも出会ってしまったものは仕方がない。
 上村の絵には少年さえも虜にしてしまう魔物が潜んでいたというしかない。

 2016年初春、東京弥生美術館で上村一夫の没後30年となる回顧展が開催されていた。
 本書の監修を務めた松本品子氏はその美術館の学芸員。
 本書はその回顧展の図録ではないが、ほぼその内容にそって上村の作品が紹介されている。
 最も有名なのが「同棲時代」の飛鳥今日子。続いて、「修羅雪姫」の鹿島雪。ともに映画化されたが、上村の描く女性とはイメージが違った。
 上村の美少女たちはどちらかといえば狐目にインパクトがあったが、実際の女優となればそこまでは遠い。「修羅雪姫」を演じた梶芽衣子が一番近いだろうか。

 上村の作品を昭和という時代に置いておくにはもったいない。
 むしろ、平成の絵師となる漫画家が現われないものか。
 春は回るというではないか。
  
(2016/04/27 投稿)

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