プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  川口則弘さんの『ワタクシ、直木賞のオタクです。』。
  私は芥川賞は若い頃から
  ずっと好きでした。
  家に『芥川賞全集』を持っているぐらいですから。
  その一方で
  直木賞の受賞作はほとんど
  読んできませんでしたね。
  結構芥川賞偏重者。
  長い作品が苦手ということもあります。
  今はどうかというと
  猛省しています。
  訳のわからない芥川賞作品を読んでいるより
  直木賞作品の方が
  うんと読んでいて楽しい。
  これは直木賞というより
  芥川賞がまだまだ文学臭に
  こだわりすぎているからではないでしょうか。
  直木賞の受賞作も
  もっと短くなれば
  さらにはまるのですが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  芥川賞の話もでてきます                   

 巻末の著者履歴を読む。
 川口則弘さんは1972年の東京生まれ。肩書は「直木賞研究家」とある。著書に『直木賞物語』『芥川賞物語』がある。そして、何よりも「直木賞のすべて」というサイトの主催者である。
 芥川賞直木賞というのはもちろん文藝春秋の菊池寛が1935年に発案した新人文学賞で、すでに150回を超す回数を数える、多分日本で最も有名な文学賞だ。
 芥川賞が純文学、直木賞が大衆文学というおおくくりの区分けはあるが、最近ではというかかなり以前よりその境界は明確ではない。
 多くの人が芥川賞偏重の中で、川口さんは一貫して直木賞にこだわっている。
 その理由はタイトル通り、「直木賞のオタク」だからだ。
 「オタク」とは「大衆文化の愛好者」をいうとしたら、直木賞はぴったりではないか。

 この本は直木賞の公式本ではない。賞にまつわる裏話が満載という本だ。
 芥川賞の影に隠れてパッとしない直木賞だからこそ今まで陽の目を見なかった(といっても、そもそも直木賞に関心がなかったのだから陽の目を見ることはない)話がごろんごろんとしている。
 川口さんも「まだまだ未開の地の多い直木賞の世界」と書いている。
 その裏話にどんなことが書かれているかというと、巷間よく言われる「推理小説は不利」や「直木賞と芥川賞の交差史」、あるいは「文学性」について、エピソードを交えながらの考察である。それらの面白いこと。
 面白かったのは落選した候補作についての数編だ。さすが川口さん、「オタク」というだけあって候補作への目配りも丁寧で、文壇史から消えた作者や作品をよくフォローしている。
 特に同人誌の出身である北川荘平(1960年代の候補者)に関する記述は読めば読むほど北川荘平という作家の作品を読みたくなること必至だろう。

 それでも直木賞でしょ、やっぱり芥川賞です、という芥川賞フリークの読者にも、菊池寛が本当にこの二つの賞をつくったのかであったり、最初の反響が薄かったのは事実なのかといった芥川賞関連の文章もあるので、それはそれで楽しめると思うのだが。
  
(2016/04/13 投稿)

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