プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昨日のつづき。
  『日本名作シナリオ選』の下巻。
  私が映画のシナリオを初めて読んだのは
  高校のはじめの頃でした。
  当時映画雑誌「キネマ旬報」には
  公開間もない映画のシナリオが掲載されていて
  日本映画だけでなく
  洋画のシナリオもありました。
  その頃チャップリンの映画が
  リバイバル公開されていて
  チャップリンの映画のシナリオも
  掲載されていました。
  それだけをとっていたはずなのですが
  今はどこかに行方不明。
  惜しいことをしました。
  DVDの普及で
  簡単に映画を楽しむことができましたが
  映画はやはり映画館で観たいですね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  シナリオライターたちの心意気                   

 上下巻二冊に分かれているこの下巻には10本のシナリオが収録されている。
 橋本忍による「切腹」、笠原和夫の「総長賭博」、橋本忍と山田洋次の「砂の器」、あるいは中島丈博の「祭りの準備」などである。
 上巻と比べると少しは新しい時代だが、今の人たちにとってはまだ往年の名作といったところだろうか。
 各作品ごとに現役のシナリオライターが解説を書いているのも上巻と同じである。
 例えば、荒井晴彦は長谷部慶次と今村昌平の「にっぽん昆虫記」の解説を書いている。

 加藤正人氏による「巻頭の言葉」の下巻は、ずばり「シナリオを読む」。
 その中で加藤氏はシナリオが昔ほど刊行されなくなったという。その理由はDVDなどの普及と加藤氏は見ている。
 昔は映画は映画館で観るしかなかった。だから気に入った作品は映画館で何度でも観た。それでも足りずにシナリオで読んだ。
まさに中島丈博の「祭りの準備」などはそんな作品の典型ではなかっただろうか。
 しかし、今はその必要はない。DVDで何度も繰り返し観ることができる。あるいは気になる場面では映像を休止させることも可能だ。
 そうやって、人々はシナリオを読まずに映画の鑑賞ができるようになった。
 だが、と加藤氏はいう。
 「映画をほんとうに理解するためには、シナリオを読まなければならない」。

 巻末の全体を通しての「解説」を上巻同様書いた西岡琢也氏は、「シナリオ」を見失ってはならないと書いた。
 では、どんなシナリオがいいシナリオであるのか、その「ものさし」を示したかったと、いう。
 この上下巻で収録されたシナリオはわずか21篇でしかない。
 あの名作はどうした、自分が好きな作品がはいっていない、など不満がない訳ではない。
 しかし、日本映画が低調といわれるこの時代にあって、シナリオの「ものさし」となる作品集を刊行した意義は大きい。

 上下巻の大冊にかけた現役シナリオライターの心意気そのものを評価したい。
  
(2016/04/30 投稿)

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