プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは漫画。
  松田奈緒子さんの『重版出来!』。
  「出来」と書いて「しゅつたい」と読みます。
  以前にもちょっと書きましたが
  現在TBS系で放映されているドラマの
  原作漫画です。
  ドラマでは
  主人公の黒沢心役を黒木華さん。
  ちなみに黒木華さんは「はな」ではなく
  「はる」と読みます。
  黒木華さんといえば
  山田洋次監督の『小さいおうち』で
  第64回ベルリン国際映画祭最優秀女優賞(銀熊賞)
  受賞した経歴の持ち主。
  もう漫画の黒沢心がのりうつったような
  演技をしています。
  そもそもこのドラマも原作の漫画も
  知らなかったのですが
  出版社勤務の若い知人が
  絶対見るべし! と送ってくれた
  メールがきっかけでした。
  若い人はできる。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「漫画を読んで育ったけど最近は離れている人たち」に読んでもらいたい                   

 大学時代には柔道一筋だったヒロインが「心から熱くなれる場所はここしか」ないと入社した出版社。そして配属された週刊漫画雑誌の編集部で持ち前のガッツで頑張っていく。彼女の名は黒沢心。
 その熱血漫画の単行本第1巻には、黒沢心の出版社興都館への入社面接に挑む第1話「黒沢心参上!」(就活をされている皆さんにはぜひ読んでもらいたい)や心の熱意をしっかり受けとめて採用を決めた社長久慈勝の半生を描いた第3話「Do The Right Thing! 正しい行いをせよ!」、そしてチーム一丸となって重版出来(じゅうはんしゅったい)をめざす姿を描いた「売らん哉!松・竹・梅」など、6つの作品が収められている。

 私は典型的な「漫画を読んで育ったけど最近は離れている人たち」(第6話にこんなネームが出てくる)である。
 手塚治虫とか石ノ森章太郎、ちばてつやといったビッグネームの漫画家たちの作品ならわかるが、最近の漫画家のその名前も作品も知らない。それでいて、最近のドラマや映画が多くの漫画原作から生まれていることが不思議だった。
 きっと「漫画を読んで育ったけど最近は離れている人たち」世代は、最初に文学があってその隙間を埋めるようにして漫画があったのだと思う。その世代にとって、漫画とは文学に同化した作品が名作だったのだ。
 ところが、今は違う。
 漫画は文学ではなく、漫画として確固たる創作活動であり、おそらくかつて文学青年をめざした若者を漫画青年に進化させた。当然そこからは鑑賞に耐えうる問題作が生まれていく。
 そういう世代ギャップをどう埋めていくか。
 「漫画を読んで育ったけど最近は離れている人たち」の感性を上げるしかない。

 そういう世代にもきっとこの作品は受ける。
 何故なら、ヒロイン黒沢心にしても、仕事に生きる人たちの姿にしても、「漫画を読んで育ったけど最近は離れている人たち」がかつて経験した世界そのままだからだ。
 そうして、そうやって頑張っていた時間に漫画を離れていってしまったのだ。
 もしかすると、この漫画はそういう世代に漫画を復活させる一石になりうるかもしれない。
  
(2016/06/07 投稿)

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