プレゼント 書評こぼれ話

  そろそろ芥川賞・直木賞の候補作が
  出るのではないか。
  あと一カ月後あたりかな。
  第154回芥川賞
  本谷有希子さんの『異類婚姻譚』と
  滝口悠生さんの『死んでいない者』でしたが
  今だに2作とも読んでいないのは
  やばいかも。
  あわてて読んだのが
  今日紹介する
  本谷有希子さんの『異類婚姻譚』。
  好きだな、こういう作品。
  満足の読後感でした。
  次には滝口悠生さんの受賞作も読まないと
  いけないのですが
  もう少し先になるかも。
  次の受賞作が決まるまでには
  読み終えたいですね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  面白く読めました                   

 第154回芥川賞受賞作。(2016年)
 気がつけば夫の顔が日常の怠惰で崩れている。いつしか妻である自分もその夫に似ている。
 説話のような暗い骨を抱えながら、けっして深刻ではなく、読み終われば温かな感情が残る。

 選考委員の一人川上弘美さんが好きな世界だが、その選評ではこう記されている。
 小説では「何」を「どのように」書くのかが大きな問題でこの作品の場合、「何」と「どうやって」の協同があった。それが余りにきれいすぎて「のび」がなかった。
 もちろん、川上さんの評価は前半部分で満ちているようで、この作品を推したとある。
 では、「のび」とは何であったのか。
 これはこの作品の作者本谷有希子さんの資質とも関係しているような気がする。
 本谷さんはすでに劇作家としての評価も高く、劇の構成上、まとめるということが必然である。「のび」は舞台上にはなく、観ている観客側にあるのではないかと思う。
 そのあたり、やはり作家と劇作家の違いが出ているのではないか。
 同じように同じ異界のような物語を描いても川上さんの世界観とはかなり相違しているのも本谷さんの個性だろう。どれだけ異様な世界であっても最後には放り出せないものとしてしか本谷さんは書けなかったのだろう。

 この作品は芥川賞を受賞したが、一歩線を足したり引いたりすれば直木賞の世界でもおかしくなかったようにも思えた。
 だからなのか、読後には物語を読んだという満足感が残った。
 最近の芥川賞受賞作でも出色の好編だろう。
  
(2016/06/16 投稿)

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