プレゼント 書評こぼれ話

  明日6月19日は
  桜桃忌
  太宰治の忌日です。

    黒々とひとは雨具を桜桃忌     石川 桂郎

  太宰が山崎富栄さんと玉川上水に身を投げたのは
  1948年の6月13日。
  二人は19日に発見されました。
  太宰は埼玉大宮とも関係が深く
  『人間失格』の最後は大宮(現さいたま市)で
  書かれたといいます。
  さいたまに住むものとして
  ちょっと自慢? したくなるエピソードです。
  太宰は生きることに苦しく
  山崎富栄さんは太宰を支え続けていました。
  けれど、力が尽きた。
  二人の間にどんな思いがあったのでしょうか。
  今日紹介するのは
  詩人小池昌代さんが編んだ詩のアンソロジー
  『恋愛詩集』。
  詩を読みながら
  太宰たちのことを思ってみるのも
  いいかもしれません。

  じゃあ、読もう。

  
sai.wingpen  アンソロジーを読む楽しみ                   

 詩人小池昌代さんによる詩のアンソロジー。同じような試みは同じ新書から『通勤電車で読む詩集』として出ているが、今回はタイトルのとおり恋愛詩を集めてものだから興味をひく読者も多いだろう。
 アンソロジーというのは異なる作家の、ここでは詩人だが、作品を選んで編まれたものだが、語源は花束という意味らしい。出来合いの花束ではなく自分で花一つひとつを選んでいるので選者の個性が出るともいえる。
 「はしがき」によれば、恋愛詩と思えない作品もあるが、それが小池さんの「願う恋の姿」だとある。
 「恋うとは遠いものに橋を渡すこと」だと小池さんはいう。もし、恋愛詩と思えない作品にそんな橋が見えないだろうか、それが小池さんの恋だ。

 収録されている詩を少し紹介しておく。「初恋」(吉原幸子)「樹下の二人」(高村光太郎)「とてもたのしいこと」(伊藤比呂美)「無声慟哭」(宮澤賢治)「雷」(林芙美子)「薔薇の内部」(リルケ)といったように、古今東西の詩人が並ぶ。
 それほどに恋愛は昔から詠われてきているのは、人として根幹の感情であるからだし、その思いの表現はその人の数だけあるということだろう。

 詩人の茨木のり子からは詩集『歳月』から「夢」という詩が選ばれている。自分の好きな詩ということもあって、小池さんの選に納得する。
 自分の好きな詩が入っていればうれしいし、新しい詩に出合うのもまたうれしい。
 それこそアンソロジーを読む楽しみだといえる。
  
(2016/06/18 投稿)

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