プレゼント 書評こぼれ話

  先日第155回芥川賞・直木賞の候補作が
  発表されていましたが、
  私の期待としては
  原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』。
  でも、ちょっと無理かな。
  芥川賞では
  久しぶりに山崎ナオコーラさんが
  候補になりましたね。
  果たして美人選考委員のメンバーが
  どういう評価を下すのか
  これは楽しみです。
  花房観音さんが直木賞の候補に
  いつかなることを
  楽しみにしているのですが。
  今日紹介するのは
  『愛の宿』。
  これからも応援してますよ。
  観音さま。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  まだまだ期待の観音さま                   

 「もし、あの夜、あのホテルに泊まらなければーどうなっていたでしょうね」という文章で始まる6つの短編の連作集。
 「ホテル」というのは、京都寺町にあるラブホテルのこと。ラブホテル、つまり愛の宿である。

 「ラブホテルは自分の部屋でセックスできない者たちが利用する場所」と「愛の宿」という表題作に登場するヒロインが述懐する場面があるが、日本の住宅事情からすれば一概にそうとも言えないし、そういう影の部分をおおげさにいうことはない。
 むしろ愛の交歓を楽しむ場としてとらえることもできるだろうに。
 ただ花房観音のこの連作では、不倫であったり援交であったり、歪んだ愛の場所として描かれている。
 場所が場所だし、花房の作品ということもあって官能小説を期待する読者も多いだろうが、この作品は官能小説ではない。
 恋愛小説と言い切るにはどの短編の登場人物たちも歪んでいるが、愛のありようを求めていることに変わりはない。

 たまたまそのラブホテルで女性の変死体が見つかる。それでその夜宿泊していた何組かのカップルが警察の捜査で足止めをくってしまう。
 彼らにとってセックスをして別れるはずであった時間が無理やりに伸ばされてしまう。そのことでつかなければならない嘘や見せることのなかった素顔ものぞかせてしまうことになる。それは愛の後ろ側で貌を覗かせる、別の顔。

 花房観音は官能小説でデビューしたが、今はその範疇では収まらない作家になっている。
 できれば、じっくりと書いて欲しい作家である。
  
(2016/06/25 投稿)

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