プレゼント 書評こぼれ話

  時々絵本がうらやましくなることがあります。
  文学作品などは
  夏目漱石とか太宰治とか一部の作家をのぞけば
  実はその読まれている期間は
  とても短いのです。
  若い頃にはあんなに読まれていた作家も
  今ではほとんど姿を消しています。
  その点、絵本の読まれ方の寿命は
  とても長いように思います。
  どうしてか。
  例えば、女の子がいて
  一冊の絵本に出合う。
  そして、彼女が成長して娘を生む。
  きっと自分が子どもの頃に感動した絵本を
  読んであげたくなるでしょう。
  そうやって連綿と続いていく。
  それってとっても素晴らしいことです。
  今日紹介するのもそんな一冊。
  トミー・アンゲラーの『すてきな三にんぐみ』。
  いいですよ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  これぞ名作絵本                   

 これはもう絵本の名作といっていい作品です。
 奧付をみると、1969年に初版が出ています。つまり半世紀近く、子どもたちに愛され、読まれ続けてきた作品です。
 きっとこの絵本を読んで大きくなった人も今はその子ども、あるいは孫世代へと続いている一冊でもあるでしょう。

 この絵本の何が子どもたちを夢中にさせるのでしょう。
 怖い三人組の強盗がある日たまたま手にいれたみなし子のティファニーちゃんに振り回されて国じゅうのみなし子を助ける、いいお話だからでしょうか。
 そうではないと思います。
 なんといっても、この三人組が本当に怖い強盗だからです。何しろこの三人組に出合うと、
 「ごふじんはきをうしない、しっかりものでもきもをつぶ」すぐらいの怖さです。
 子どもたちは怖い話が大好きです。
 たぶん、三人組を紹介するこの怖い導入部から子どもたちは夢中になるのではないでしょうか。

 そんな怖い三人組がみなし子のティファニーちゃんにすっかり振り回される。子どもたちの笑い声、歓声が聞こえてくるような展開です。
 それもこれも導入部の怖さがあったからです。
 読み聞かせなんかにもいいですよね、最初は太く低い声、中盤以降は普通の声、最後はやさしい声で世界を作り出すことができます。

 この絵本の訳は児童文学者の今江祥智(よしとも)さん。
 今江さんが残念ながら2015年に亡くなりましたが、まさに名作の訳でこれからも生き続けるでしょう。
  
(2016/07/03 投稿)

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