プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  少女マンガをけん引してきた
  竹宮惠子さんの
  『少年の名はジルベール』。
  この本の中で
  竹宮惠子さんは作家について
  こう書いている。

    作家は結局、自分の核を中心にして
    その周囲を付け足しながら、
    成長して作品を仕上げていくことしかできない生き物

  その点では
  この作品に描かれた
  若き日の竹宮惠子さんは
  成長過程にある自分自身であろう。
  この作品に登場する
  男性編集者の言動はまさに1970年代の
  少女マンガの編集者のそれで
  その点でも興味をひく作品であった。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  時代をつくっていく                   

 少女マンガの世界には「花の24年組」と呼ばれるビッグネームな漫画家たちがいる。
 萩尾望都、大島弓子、山岸涼子といった人たちだ。そして、この本の作者、竹宮惠子もまたそのうちの一人である。
 彼女たちは昭和24年前後に生まれ、少女マンガに変革をもたらした漫画家で、彼女たちの作品から少女マンガは独自の世界観を描いていく。
 その実態はどうであったのか、代表作『風と木の詩』で少年愛の世界を描くまでの生活を描いた竹宮のこの作品を読むと、その道はけっして平坦ではなかったようだ、(ちなみにこの作品のタイトルのジルベールは『風と木の詩』の主人公の名前である)

 竹宮が東京に上京し、同じ年齢の萩尾望都と同じ家に住んだことはこの本で初めて知った。
 この家は「大泉サロン」と呼ばれたらしいが、天才同士が一つ屋根の下に住むイメージは手塚治虫や石ノ森章太郎(竹宮は石ノ森の大ファンであった)、赤塚不二夫らが暮らした「トキワ荘」を意識したものだろう。
 いやそれ以上にゴッホがアルルでゴーギャンと共同生活をしたことに近いかもしれない。
 ゴッホがゴーギャンの才能にやがて狂気に陥っていくように、竹宮も萩尾の才能を目の前にしスランプに落ちていく。

 さらには男性編集者の無理解に時には絶望していく。
 「花の24年組」とはそういった時代の中で、それでも筆を折らなかった人たちのことだ。
 人生の一コマだけでなく、漫画という表現方法、創作のついての根本の意識にも言及した、少女マンガを知るには欠かせない一冊になっている。
  
(2016/07/06 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/2881-c57adc51