プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介するのは
  坪内稔典さんの『漱石くまもとの句200選』。
  タイトルのとおり、
  夏目漱石が熊本に住んでいた当時の俳句を
  200句選んでできている本です。
  出版社は熊本日日新聞社
  2016年3月30日に出ています。
  甚大な被害を出した熊本地震が起こるのは
  4月14日以降ですから、
  この本はなんとか間に合った。
  もし、ひと月でも出版予定が遅れていたら
  まだ読むことはできなかったかもしれません。
  書評で紹介できなかった
  お気に入りの句をもう一つ。
  夏の休暇で東京に戻った漱石
  妻を残して
  先に熊本に戻る時に詠んだ句。

    月に行く漱石妻を忘れたり

  この返歌のように
  正岡子規はこう詠んでいます。

    秋の雨荷物ぬらすな風引くな

  漱石子規
  いいな。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  熊本はいいぞ                   

 熊本には高校の修学旅行で行った。水前寺公園は覚えているが、熊本城の記憶がとんとない。
 まあ40年以上前の話であれば仕方がない。
 先ほどの震災で大きなダメージを受けた熊本。熊本城の石垣が大きく崩れ、わずかな石垣で崩壊を免れた「飯田丸五階櫓」は「奇跡の櫓」とも呼ばれた。
 熊本城だけでなく、今年没後100年を迎えた夏目漱石も熊本とは因縁が深い。
 明治28年から33年、漱石は熊本に住んでいた。第五高等学校の英語の教師としてだ。寺田寅彦と出会うのも、この熊本である。
 このあと、漱石は英国に留学するのだから、優秀だったのだろう。
 そういう漱石を受け入れる素地が熊本にはあったのではないか。

 この本は漱石が熊本時代に詠んだ俳句が200選ばれている。
 選んだのはカバと柿とあんパンが大好きな俳人坪内稔典さん。
 坪内さんは「熊本時代の漱石はまさに俳人」と記しているが、詠んだ句は900余り。漱石の俳句は友人正岡子規との関係でよく論じられるが、生涯詠んだ句の4割が熊本での俳句らしい。
 よって熊本には漱石の句碑がたくさんある。どうしてわかるかというと、この本の体裁は漱石の句を一句紹介し、それに坪内氏がコメントし、関連する写真が掲載されている。
 その写真の何枚かに漱石の句碑が写っている。
 そうなると、今回の震災でそれらの句碑はどうなったのだろうと心配になる。

 坪内さんは熊本時代の漱石の俳句で「菫程な小さき人に生まれたし」ほか2句をベストスリーにあげている。
 私はちょっと違う。
 「秋はふみ吾に天下の志」だ。「図書館」と前書きがあるそうだ。
 納得した。
  
(2016/07/27 投稿)

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