プレゼント 書評こぼれ話

  先日行った
  「村上春樹とイラストレーター」展で
  安西水丸さんのイラストも
  もちろんあったわけですが
  私が安西水丸さんのイラストを知ったのは
  今日紹介する
  干刈あがたさんの雑誌連載の挿絵からでした。
  その連載作品をまとめたのが
  この『借りたハンカチ』。
  「オレンジページ」に連載されていた
  安西水丸さんのイラストが
  あまりに素敵だったので
  切り取っていたはずなんですが
  今はどこにいったのか
  わかりません。
  惜しいことをしました。
  それにしても
  干刈あがたさんの作品は
  好きだな。
  とっても久しぶりに読み返しました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  安西水丸さんのイラストに初めて出会った作品たち                   

 安西水丸さんのイラストを見ていて思い出すのは、干刈あがたさんのことです。
 安西さんが村上春樹さんと組むずっと以前、1980年代後半、雑誌「オレンジページ」に連載されていた干刈あがたさんの短編小説に安西さんはイラストをつけていました。
 「オレンジページ」は今ではとても人気のある生活雑誌ですが、その当時はまだ発刊して間もなくで(創刊は1985年)とても初々しい雑誌でした。
 そこに安西さんのあの素敵なイラストが載っていたのです。

 干刈あがたさんは今では知らない人も多くなった作家だと思います。
 1982年に『樹下の家族』で第1回海燕新人文学賞を受賞し、作家活動に入りました。しかし、1992年に胃がんで亡くなります。49歳の若さでした。
 わずか10年ばかりの作家生活でしたが、何度か芥川賞候補にもなっています。
 そんな干刈さんに「オレンジページ」は短編小説の連載をお願いするのです。
 それが本書のもとになった「物は物にして物にあらず物語」の数々。
 新しい雑誌、気鋭のイラストレーター、干刈さんはどんなにうれしかったことでしょう。

 ここで連載された短編小説は『十一歳の自転車』とこの『借りたハンカチ』2冊にまとめられました。
 ここには21篇の作品が収められています。
 色々な文体、さまざまな舞台設定、多様な登場人物。干刈さんにとってこの連載は作家修行でもあったのかもしれません。
 多分きつい連載だったのでしょう。中には中途半端な出来のものもあります。
 それでも、「オレンジページ」の中でいつもきらめいていました。
 安西水丸さんの思い出とともに、忘れられない作家の、初々しい作品群として私の中に残り続けています。
  
(2016/08/04 投稿)

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