プレゼント 書評こぼれ話

  川上弘美さんは
  とっても好きな作家なのですが
  時々ついていけないと感じることがあります。
  ストーリー性に重きをおいた読み方だと
  特にそうなります。
  文章のスタイルで読むと
  それもまた違ってくるのですが。
  新しい本、『このあたりの人たち』もそうです。
  一つひとつが短く
  とても読みやすいのですが
  その世界観は
  川上弘美的といえばそうなのですが
  ここと少しずれた世界なんですよね。
  そういう世界観が
  時にしんどい時もあります。
  だからといって
  嫌いになったりはしませんが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  あいかつお                   

 私たちの世界というのは、柔軟性があるようで実はとっても堅硬なもので出来ていると思うことがある。
 「あいうえお」。なんていうのもそうで、誰もが「あいうえお」だと信じている。
 もし、それが「あいかつお」だったりしたらどう感じるだろうか。
 とっても不安になったりするだろう。
 それと同じような不安を川上弘美の作品から感じてしまうことがある。
 でも、誰が「あいうえお」を「あいかつお」に変えることができるだろう。

 このなんでもないような街の人たちの様子を短い文章で綴った作品集の手ごたえのなさはどうだろう。
 おいしいプディングを頂いた感じはあるのだが。

 「王様は裸だ!」子どもだから言えること。大人は言えない。
 「何書いているのかわからない」のではない。平易な日本語を読めないわけではないし、文法に誤りがあるわけでもない。
 しかし、それらで組み立てられた世界は私たちがいる世界と同じなのかわからない。
 AIが世界を支配する未来ではない。むしろ、恐山のイタコが支配するような世界。
 AIがある世界は「あいうえお」と同じ。一方イタコが支配する未来は「あいかつお」と同じではないか。

 川上弘美は笑っている。
 この世界についてこれるかって薄ら笑いを浮かべている。
 「あいうえお」を「あいかつお」に変えたのは彼女。
 時々どうしようもなく、「あいかつお」を書いてしまいたくなる作家。
 川上弘美にとって「あいかつお」なのか、「あいふせる」なのか、意味はないだろう。
  
(2016/08/10 投稿)

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