プレゼント 書評こぼれ話

  オリンピック・イヤーの夏は疲れる。
  体操に柔道、競泳と
  日本選手の連日の奮闘に
  見ている側も力がはいる。
  卓球の福原愛選手には
  メダルをあげたかったなぁ。
  ただただ拍手。
  そんな日々に
  文春文庫から
  佐々木健一さんの
  『辞書になった男』という新刊が出た。
  この作品は
  単行本で出た時に読みたい一冊であったが
  つい読みすごしてしまった。
  辞書作りにかける男たちに
  メダルはないが
  功績は大きい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  言葉というやっかいなものと戦った男たちの物語                   

 辞書を持っている人は今どれくらいいるだろうか。
 持っていてもそれを活用している人となるとうんと少なくなるのだろう。
 ましてや最近のようにインターネットが発達してくると、言葉を調べるのもネットを使うことが多いのではないか。
 本書はそんな中でも人気の高い辞書『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』をつくった二人の編纂者の生涯にスポットをあて、生きる上での言葉のありようという深い森へと読者を誘う。
 それはまるでミステリーを読む如くであり、特に『新明解』の人気となった独特な語釈が生まれた謎にも迫って、読書の面白さを満喫できる一冊になっている。

 それはちょっとした言葉の行き違いだったのかもしれない。見坊先生が「助手」と山田先生のことを称したことがのちに二人の人生を交えることのない流れに押しやったともいえる。
 本書では実はそこまで書かれていない。二人の先生が仲たがいをしたきっかけやそこに出版社の思惑のようなものがあったことまでは追求されている。しかし、人は些細な一言が後々まで残ることがあるものだ。
 些細な傷から大量に血の吹き出すこともある。

 真実はひとつかもしれないが、実はそれを受け止める人の立場であったり感情であったりで大きく違ってくるのはままある。
 二冊の辞書をもって引き比べすることはあまりないが、少なくとも辞書をもっと活用しないことには辞書に人生をかけた二人の先生に申し訳ない。
 事の真相よりも二人の先生はそれを望んでいるだろう。
  
(2016/08/12 投稿)

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