プレゼント 書評こぼれ話

  あいかわらず桜木紫乃さんは
  巧いなと
  今日紹介する新作『裸の華』を読んで
  感じました。
  こういう裏の世界というか
  影の世界というか
  そういうものを描かせたら
  いま一番巧いのではないかしらん。
  書評で映画の話を書いていますが
  本当にこの作品のクライマックスなんかは
  映画館で観たいものです。
  でも、だからといって
  この物語の主人公ノリカに
  誰が演じると一番似合うのか
  わからないのですが。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  好きだな、桜木ワールド                   

 1970年代といえばやくざ映画華やかな時代であったが、あれはやくざ映画というよりは任侠映画と呼ぶ方が適切だろう。その掉尾を実録ものと呼ばれた映画に譲ることになるが、高倉健や鶴田浩二、藤純子が銀幕で華麗に演じたものは様式美だったように思う。
 冒頭からそんな映画の話を書いたのは、桜木紫乃が描いたこの物語もそんな当時のやくざ映画に似た雰囲気を感じたせいだ。

 物語の主人公は骨折で舞台に立てなくなった元ストリッパーのノリカ。四十という年齢が裸を見せる踊り子にはどうであったか、彼女は育った札幌すすきのに戻ってくる。
 札幌すすきの。北海道を何度も描いてきた桜木はこの地を「みなそれぞれの事情を抱えてすすきのですれ違」う、「交差点の街」と表現する。
 そんなノリカが出会った訳ありなバーテンJIN。若い踊り子瑞穂とみのり。
 ノリカがすすきので再出発したダンスシアターで若い肢体が躍動する。すべてが順調に行くかと思われた。しかし。
 瑞穂は愛する男の子を宿し、みのりは中央の世界へ羽ばたいていく。
 ノリカは再びストリッパーの世界に戻るしかない。

 すすきのを去る最後の夜、ノリカとJINの短い会話の連続。
 言葉の奥に込められた思い。
 まるで高倉健と藤純子ではないか。
 そういえば、彼らのやくざ映画にもしばしば雪が効果的に使われていた。
 桜木紫乃がやくざ映画を観たかどうかは知らないが、ここには壊してはいけない世界観があるように思える。
 だから、大向こうから声をかけても似合いそうな作品になっているのだ。
  
(2016/08/24 投稿)

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