プレゼント 書評こぼれ話

  昨日朝井まかてさんの『すかたん』を紹介して
  今日は伊東潤さんの『天下人の茶』ですから
  時代小説、歴史小説づいていますね。
  若い時は
  時代小説なんかはいずれ亡びるジャンルぐらいに思っていて
  実際テレビとか映画では
  ほとんど作られなくなっているのですが
  何故か文学の世界では
  人気が続きます。
  伊東潤さんは直木賞候補の常連になってきましたが
  時代小説歴史小説は
  何年かに一度は受賞するようなので
  きっとそのうちに
  直木賞を受賞することも
  あるのではないでしょうか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  次作に期待                   

 最近の直木賞候補の常連となった感のある伊東潤。
 その名前と作品名『天下人の茶』、すなわち豊臣秀吉と千利休を描いたと思われるタイトルに魅かれてページを繰った。
 読んだ作品が悪かったのか、確かにこれでは直木賞受賞には至らないと思った。

 本作は表題となった作品の「第一部」と「第二部」にはさまれる形で四つの短編で出来上がっている。
 それぞれが短編として独立しているが、千利休に関係した歴史上の人物が主人公になっている。
 例えば「奇道なり兵部」では牧村兵部、「過ぎたる人」では瀬田掃部(かもん)、「ひつみて候」では古田織部、「利休形」では細川忠興といった具合である。
 秀吉の晩年は、利休へ死を命じたように、一筋縄では理解できない事柄が多いし、時代そのものが複雑な様相を持っているので、この作品集のように関連した事項の作品を並べることはわからないでもないが、そのために焦点がぼやけてしまっているように感じた。

 それとこれはこの作品だけかもしれないが、伊東のセリフが少しも巧くない。
 直木賞を大衆小説というくくりでみるなら、多くの読者をひきつけるものがないといけない。その一つはドラマのような生きのいいセリフだと思う。
 伊東の作品はそれがとても弱い。
 だから、登場人物が生きてこないのだ。
 選考委員の北方健三氏は「実力は充分である。次作に期待したい」と暖かい声援を送っている。それに応えてもらいたい。
  
(2016/09/08 投稿)

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