プレゼント 書評こぼれ話

  連休明けで
  気が重いなと出勤した人も
  いつものコンビニにはいれば
  いつもの生活を取り戻せたのではないですか。
  今日は
  第155回芥川賞受賞作
  村田沙耶香さんの『コンビニ人間』を
  紹介します。
  村田沙耶香さんといえば
  受賞のインタビューでもまだコンビニで働いていると
  評判になって
  なんだか全くの新人が受賞したみたいですが
  実はすでに野間文芸新人賞三島由紀夫賞を受賞している
  新進気鋭の作家なのです。
  この受賞作も
  とてもいい作品です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文学とはこうでなくては                   

 第155回芥川賞受賞作。(2016年)
 選考委員の村上龍氏から「このような作品が誕生し、受賞したことを素直に喜びたい」と最上級の賛辞を得たこの作品は、近年の芥川賞受賞作の中でも上質であろう。
 何よりも読んでいて楽しい。それは読書という体験ではとても大切な心の振幅だと思う。エンターテイメントな作品だけでなく、純文学と呼ばれる作品でもあってもそれは欠かせない資質のようなものだと思う。
 山田詠美委員はこの作品を選評で、「候補作を読んで笑ったのは初めて。そして、その笑いは何とも味わい深いアイロニーを含む」と記しているが、これも小説の本質をついている。

 30いくつになってもコンビニのアルバイトしか就業の経験もなく、結婚もましてや恋愛さえも知らないこの物語の主人公恵子は、少し社会の基盤からずれた存在かもしれない。
 しかし、村上龍氏が書いているように、彼女は「実はどこにでもいる」のだろう。
 惠子のようになるのではなく、恵子のまま、その形態はさまざまであっても、社会と同化できない人やそのような性格は「どこにでもいる」。
 そして、恵子の場合と同じように、そんな人間を受け入れてくれる世界が必ずある。
 大きくいえば、今という現在そのもの全体がそうなのかもしれない。

 惠子の場合はコンビニという空間があるがゆえに「コンビニ人間」になりえたが、もっと大きな空間に抱き留められた人間はなんと呼べばいいのだろう。
 楽しい読書体験の、先にあるものは深い思索だ。
  
(2016/09/20 投稿)

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