プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  関川夏央さんは好きな書き手だ。
  昭和は書かせたら、うまい。
  そんな関川夏央さんが
  同時代人たちの晩年を描いたのが
  この『人間晩年図巻』である。
  紹介するのは
  1995年から1999年の巻。
  ひとつ前に
  1990年から1994年の巻があるが
  これはまた今度紹介します。
  それに
  そもそも
  山田風太郎の『人間臨終図巻』もあって
  こちらも未読。
  やっぱり読んでいない本はたくさんあります。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  晩節ほど大事なものはない                   

 山田風太郎に『人間臨終図巻』なる奇書がある。
 古今東西様々な人の最後の様子を記したもので、奇書ではあるがいまだに人気が高い。
 そのあとを継いだということでもないが、同じような視点で山田亡きあとの時代に逝った人びとの姿を描いたのが本書である。

 この本では1995年から99年に逝った人たちの業績と晩年が描かれている。
 金子信雄、テレサ・テンなど(1995年)、横山やすし、司馬遼太郎、金丸信、渥美清など(1996年)、藤沢周平、勝新太郎、伊丹十三、三船敏郎など(1997年)、ポル・ポト、村山実、木下恵介など(1998年)、江藤淳など(1999年)が、本書に収録されている。
 今年(2016年)は1996年に亡くなった人にとっては没後20年の節目にあたって、司馬遼太郎や渥美清といったかなりの著名人は今でもそれなりに耳目を集めているが、やはり20年ともなれば、記憶に残ることもまれになる。
 ましては当時生まれた人、そのあとに生まれた人にとっては、名前を聞いただけという人も多いだろう。

 関川夏央も本書の「あとがき」に「時の流れは、水の流れよりも静かにはげしい。立ちすくむうちに私たちは老いる」と、記している。

 没後20年といえば、金丸信という政治家も今年そうである。
 どういう政治家だったかその業績はほとんど忘れられているが、金丸信だけあって「金」にまつわる政治家という記憶だけがある。
 その文章の最後に関川はこう綴った。
 「晩節ほど大事なものはない」。何故なら「晩年の悪評は人の記憶から消せないから」だと。
  
(2016/10/15 投稿)

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