プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  藤子不二雄A(正しくは丸の中にA)の
  『まんが道』を読んでみようかと思ったのは
  岡崎武志さんの『ここが私の東京』を
  読んでからだ。
  その中の一篇に
  この作品が取り上げられていた。
  全14巻の作品だから
  1巻ずつ紹介しようかとも考えたが
  一気にした方がいいかと思って
  今回は全14巻の紹介ということにします。
  漫画だから、というのは偏見で
  漫画だからこそ、というのが正しい。
  どうしてかというと
  子どもの頃に教わった多くは
  漫画からだったように思います。
  全14巻の漫画を読むのは大変でしょうが、
  できれば若い人たちには
  ぜひ読んでもらいたいと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  学校図書館に置いて欲しい全14巻                   

 昭和30年代40年代に子どもだった人にとっては石ノ森章太郎は絶対石森章太郎だし、藤子不二雄はFでもAでもなく、たった一人の漫画家なはずだ。
 藤子不二雄が藤本弘(代表作は「ドラえもん」)と安孫子素雄(代表作は「怪物くん」)という二人の共同ペンネームだということは「オバケのQ太郎」時代から有名だった。
 ただどういう分担で二人が創作活動を分けているのかは子どもながら不思議だった。
 二人が名前を分けたにはそれなりの理由があったのだろうが、やはり作風の違いが一番だったのではないだろうか。
 極端な言い方をすれば、藤本はいつまでも少年漫画にこだわり、安孫子は青年漫画を志向したともいえる。
 そんな安孫子だから、二人の「まんが道」が描けたのだし、その作品の完成度が非常に高くなったのであろう。
 もっというなら、藤子不二雄でなければこの『まんが道』はできなかったと思う。

 中公文庫コミック版として全14巻となる漫画を最近の漫画出版で図るとけっして大長編にはならない。
 しかし、14巻すべてを読み終わるとまるで教養小説を読了したような気分になる。
 なお、書誌的にいうと14巻めはなるほどそれまでの続きのような描かれ方がされているが、13巻で「まんが道」正編が終わっているような気がする。
 13巻の最後のページに「なろう!なろう!あすなろう!明日は檜になろう!」という井上靖の『あすなろ物語』の一節が記されているのでもわかる。

 この漫画は戦後富山の高岡から漫画の神様手塚治虫にあこがれて漫画家を目指そうと上京してくる二人の若者の姿を描いているが、青春ドラマという要素だけでなく戦後の漫画黎明期の若い漫画家たちの姿や漫画の出版事情もうかがえる。
 織物が縦糸と横糸でできあがるように、この漫画もより重厚により華やかに織りあがった作品といえる。
  
(2016/11/03 投稿)

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