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プレゼント 書評こぼれ話

  今年の「東京国際ブックフェア」で
  一番元気だったのは
  河出書房新社のブースだったように思います。
  何しろ創業130年ですから
  気合の入り方が違います。
  そのあと、
  千代田図書館では
  周年イベントも実施されていたり。
  今日紹介するこの本、
  佐久間文子さんの
  『「文藝」戦後文学史』も
  おそらくその周年記念に合わせた企画でしょうが
  いい本です。
  戦後文学を語るには
  今後はずせないのではないでしょうか。
  私なんか
  まるで自分の青春を追体験している
  気分になりました。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  いかに「文藝」にお世話になったかがわかる                   

 河出書房新社は1886年に河出静一郎によって設立された出版社である。
 つまり2016年は創業130周年にあたる。
 河出書房に改名したのが1933年で、現在の社名でわかるとおり、その後何度か倒産の憂き目に合いながらも「新社」として今に至っている。
 その河出書房新社が発行している文芸誌が「文藝」。
 文芸誌といえば新潮社の「新潮」、文藝春秋の「文学界」、講談社の「群像」とそうそうたる名前が連なる。
 その中にあって「文藝」も、戦後の日本文学の屋台骨を支えた一誌で、この本は特に戦後から現代に至る「文藝」が生み出した作家や作品、あるいは文学事情を丁寧に記した一冊になっている。

 「文藝」のもともとは1933年でこの時には改造社が創刊している。戦中の諸事情で、河出にその出版が継承されたのが1944年、その後なんどか休刊はあったものの現在も季刊誌として継続している。
 「文藝」といえば「文藝賞」という新人賞が有名である。
 1962年に創立された文学賞で、その第一回受賞作が高橋和巳の『悲の器』。
 まさに学生運動にはいりつつある時代にあって高橋和巳は学生たちの悲しみを一身に背負っていく。
 個人的な感想であるが、私にとって印象深いのは1976年の「文藝賞」受賞作、外岡英俊の『北帰行』だ。この年、村上龍が芥川賞を受賞し、若い力が台頭し始めた頃でもあった。

 著者の佐久間文子は元朝日新聞記者だが、おそらく多様な文献をたどりつつ「文藝」という主題を逸脱することなく、戦後の文学史をうまく俯瞰している。
  
(2016/11/15 投稿)

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