プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  窪美澄さんの『すみなれたからだで』という
  短編集を紹介します。
  司馬遼太郎さんの『関ケ原』のような
  長編小説も面白いですが
  私は短編が好きです。
  書評の中で
  表題作の「すみなれたからだで」を
  紹介しましたが、
  ほかには「父を山に棄てに行く
  「インフルエンザの左岸から
  「猫降る曇天」、「バルタルサイン
  「銀紙色のアンタレス」「朧月夜のスーヴェニア
  「猫と春」が
  収録されています。
  「猫と春」なんかも好きな作品だなぁ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  現代の名短篇です、これは                   

 窪美澄が『ミクマリ』で第8回女による女のためのR-18文学大賞を受賞したのは2009年。
 今(2016年)からわずか7年前のことだ。
 そのあと、窪は女性官能小説家に特化することはなく、官能小説も書ける女性作家となって話題作を次々と発表し、実力ある中堅作家になりつつある。
 この短編集には2011年から最近までの8つの作品が収められているが。その透明感は彼女の名前を読者に植え付けた『ふがいない僕は空を見た』から変わっていない。
 いつまでも新鮮だ。

 2015年に発表された「銀紙色のアンタレス」はまるで新人作家が書いたように初々しく出来上がっている。
 初々しさゆえのぎこちなささえ、この作家は消せずにいるが、こういう生の青春小説はまるで新海誠監督のアニメの世界のようでもある。
 こういう才能は稀有といっていい。

 そして、なんといっても表題作でもある「すみなれたからだで」だ。
 40歳をいくつか越えて、中学2年の一人娘の瑞々しい肉体に嫉妬すら覚えるようになった主人公の主婦。
 夫と出会って17年、結婚して15年、何不自由ない生活ながら「けれど、満たされていない」と感じている。
 その理由はセックスの回数が減ったこと。
 娘はボーイフレンドとのデートにウキウキしているのに、自分はどうだと落ち込む彼女。
 そんな彼女に浮気でもなく、夫とのささやかなセックスの機会が訪れる。
 どこにでもある心の浮き沈み。
 幸せとは何かを肩肘張って描くのではなく、そこにあるがまま表現した技に感心する。
 現代の名短篇に数えていいのではないかしら。
  
(2016/11/24 投稿)

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