プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ
  大雪
  おおゆき、ではなく、だいせつと読みます。

    大雪や父子しづかに陶つくり     市川 一男

  先月は11月にして初積雪など
  びっくりしましたが
  ここ何日かは穏やかですね。
  冬らしくない。
  冬はこたつで読書三昧がいいけれど。
  今日は第155回直木賞を受賞した
  荻原浩さんの『海の見える理髪店』を
  紹介します。
  6つの短編が収められています。
  あまりに巧すぎて困ってしまいます。
  ほっこり系の物語が好きな人とか
  最近泣いていないという人には
  おすすめです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  巧すぎる名人芸                   

 第155回直木賞受賞作。(2016年)
 最近よく目にする言葉に「ほっこり」がある。別に若者言葉ではないが、どういう加減かよく言われている。
 直木賞を受賞した荻原浩の6つの短編も、この「ほっこり」という言葉が似合う作品だ。
 しかし、それ以上のものではない。
 この短編集がどうして直木賞に選ばれたのかわからない。
 悪い作品ではない。しかし、しょせん「ほっこり」でしかない。

 選考委員たちの選評を読んでも、この作品を推す強い感情が感じられないのは私だけであろうか。
 「オーソドックスな短編集」(北方謙三)、「ベテランらしいうまさや配慮」「地味で堅実な方法」(浅田次郎)、「丁寧に仕上げられた人情味溢れた物語」(東野圭吾)、と続く。
 そして、林真理子委員である。
 こうある。「すべてがいきとどいている」が、「いささかもの足りない」。
 「荻原さんなら、このレベルのものはいくらでも書けるだろう」。
 一番正直な感想といっていい。

 浅田次郎氏は「記憶に刻まれる」という点ですぐれていると評しているが、それはどうだろう。
 私はあまりに巧すぎて、「記憶に刻まれる」ことなく、するりと抜け落ちてしまうのではないかと思ってしまう。
 読書体験としては心地いい。
 読んでいて胸にぐぐっとくる。
 ところが、読み終わってページを閉じた段階から、この短編集の作品世界ではなく、今のなんともいえない世界がひろがっていく。

 そうはいっても一番好きな作品を選ぶとしたら、私は「遠くから来た手紙」だ。
  
(2016/12/07 投稿)

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