プレゼント 書評こぼれ話

  NHK大河ドラマ真田丸」が
  いよいよ今週日曜の18日に最終回を迎える。
  司馬遼太郎さんの膨大な作品群の中に
  まさにこの時代を描いた作品が
  いくつもあります。
  そのひとつ、
  『関ケ原』は先日読了しました。
  そして、もうひとつ
  『城塞』。
  これこそ、今放映されている
  大坂冬の陣から夏の陣の攻防を描いた
  長編小説です。
  多分、このままだと
  最終回までに読み終わることは難しいですが
  なんとしても
  年内中には読み終わりたいと
  思っています。
  まずは、今日は上巻の紹介です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  城はどのようにして崩れていくか、この巻はまだ始まり                   

 文庫本にして上中下の三分冊となるこの長編小説は1969年夏から71年秋にかけて「週刊新潮」に連載された。
 この時期司馬遼太郎は代表作の一つである『坂の上の雲』の連載もしていたから多忙であったが充実もしていた頃でもあった。
 連載が始まる前の予告で、司馬はこんなことを書いている。
 「私は大坂城のある地域にすんでいる。大坂政権の没落ということは、私にとってひとごとではない痛みを覚える」と。

 タイトルの「城塞」は、つまり、大坂城のことであり、この長編小説は大坂冬の陣と夏の陣の有名な攻防が描かれている。
 物語の始まりは関ケ原の戦いから五年、徳川家康63歳の時である。
 この時、大坂城の主豊臣秀頼はまだ「少年」に過ぎない。
 家康にとって自分の年齢は常に恐怖だったにちがいない。すでに政治の大勢は徳川側に移っていたが、秀頼が生きている。だから、家康は戦いを決断していく。

 この時代、大坂城には一万人の女たちが暮らしていたといわれる。
 その頂点にあったのが秀吉の側室淀君である。
 歴史に「もしも」はありえないが、それでももし淀君に政治のなんたるかがわかっていれば大坂城の行く末も秀頼のありようも違っていただろう。
 そんな複雑なやりとりを司馬は家康が放った諜者小幡勘兵衛を狂言まわしのようにして、上質の読み物に仕上げていく。

 「城というものは、固いものだ。正面からゆけばたたこうと突こうと崩れない。それよりも城の中身を腐らせ、水が出るばかりに饐えさせてから、ゆるりと攻めにとりかかるものだ」。
 司馬が家康に語らせた言葉のように、大坂城の崩壊が始まっていく。
  
(2016/12/13 投稿)

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