08/26/2009 書評の明日 第九回 夏休み終了間近!まだ間に合う「読書感想文」上

夏休み終了間近の、緊急特番として、
今日と明日の二回、「読書感想文」について書きます。
テキストには、吉岡日三雄さんの『読書感想文の書き方(高学年向き)』を
使用します。
お持ちでない方は、なくても特に困りませんから、大丈夫ですよ。
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まだ宿題の感想文を書けてない、少年少女のみなさん。
今まで何をしてたんですか、と
おじさんは怒っています。
そして、そんな少年少女を野放しにしていた保護者のみなさん、
今まで何をしてたんですか、と
おじさんは嘆いています。
今まで遊んでいた少年少女が、わずか一週間で「読書感想文」が書けるか。
書けるはずがない。
そんなに「読書感想文」を甘くみてはいけません。
でも、書かないと、二学期になって、先生に百たたきにあっちゃうし、と涙ぐんでる
少年少女と保護者のみなさん。
せっかくこのブログまで来ていただいたのですから、
書かせてみせます。
どーん(と胸をたたく)、げほげほ(と咳き込む)、といったような
細かい芸も交えながら、頑張ってお教えします。

こういう初期の問題は本当は七月中に解決しておきたいところですが、
吉岡日三雄さんはこんなことをおっしゃっています。
「読書感想文は、本を読むこと、そして本を読んで自分が感じたこと、思ったこと、
考えたこと、学んだことなどを自分の言葉で文章として表現していくことです」
これは基本ですから、単にストーリーの紹介ではないんですよ、っていうぐらいは
覚えておきましょうね。
で、ここで重要なことは、まず「本を読むこと」。
そんなことわかってらーい、ってえらそうに言わないように、
今までなーんにも読まなかった少年少女に言われたくない。
あと一週間しかないんですよ、それで本を読んで、
原稿用紙何枚分かを書かないといけない。
本を読まないで、「読書感想文」は書けないのです。
読まずに書いたら、「捏造」(ねつぞう)ですよ。
捕まっちゃう。

でも、残りの日にちからいって、長編はあきらめましょう。
ここは短編。
それしかありません。
例えば、太宰治を読みたいと思っても、
『人間失格』はあきらめましょう。
『斜陽』も除外。
ここは、やはり『走れメロス』。しかも、「読書感想文」の定番中の定番。
あるいは、宮沢賢治。
『銀河鉄道の夜』も『風の又三郎』もいけません。
宮沢賢治の短い童話をさがしましょう。
あるいは「永訣の朝」なんていう詩なら、10分もあれば読めちゃう。
これは「捏造」ではありませんよね。
おすすめは、星新一のショート・ショート。
目安は一篇10分。
でも、秋になったら、ゆっくりとちゃんと読んでくださいね。

え、書けない。
そう、書けないのです。
本は読めても、「読書感想文」は書けない。
それが当たり前。
だから、ここで「書き出し」を伝授します。
いいですか、文章全般「書き出し」はすごく大切だということを忘れないように。
まず、読み手をひきつけないと。
読んでいる先生も忙しいのですから、「書き出し」で読んでみようかという気にさせる。
どんな本でも使える、「書き出し」を教えちゃいます。
太宰治の短編はおもしろい。
この一行だけ。
宮沢賢治なら、
宮沢賢治の童話はおもしろい。
ね、使えるでしょう。
でも、間違って、
宮沢賢治の「永訣の朝」はおもしろい。
って書いてはいけません。
悲しい詩ですから、後半の「おもしろい」を「かなしい」に変えれば
これで使える。
「書き出し」の効用として、
読み手を気持ちをひきつけるってさっき書きましたが、
もうひとつ大きな効用があって、
書き手のリズムを生み出すんですよね。
「書けない」と悩んでいる人は、この「書き出し」が書けない人と
思っていい。
だから、まず、原稿用紙にさっきの「書き出し」例を書いてみてごらんなさい。
なんか、書けそうな気がしてきませんか。

明日は、本文について伝授します。
それまで、まずは自分で書いてみること。
なにしろ、この世は、サバイバルです。
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