プレゼント 書評こぼれ話

  今年もいくつかの美術館に足を運びましたが
  今年はなんといっても
  貸切りの会場で
  ゴッホとかルノワールとかに
  再会できたのがよかった。
  いい絵を独占したいという
  金満家はいますが
  その気持ち、
  わからないでもない。
  想像してみて下さい。
  部屋の中に
  自分と例えばゴッホの絵だけなんて。
  今日は
  原田マハさんの『デトロイト美術館の奇跡』。
  そういえば
  現在開催中の「デトロイト美術館展」には
  まだ行けていません。
  1月21日までだ。
  行きたーい。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  <奇跡>のような一冊                   

 「1885年に創立して以来、自動車業界の有力者らの資金援助を通じて、世界屈指のコレクションを誇る美術館として成長したデトロイト美術館」。
 これは東京・上野で現在開催されている「デトロイト美術館」の公式ホームページに書かれている一文です。
 この美術館はゴッホなどの印象派絵画をアメリカの公共美術館として初めて購入した館としても知られています。
 ところが、2013年にデトロイト市自体が財政破綻に陥ってしまいます。
 そんな市にあるこの美術館には至宝の美術品が収められているのです。
 当然のようにその売却を求める声があがります。

 それほど遠い昔の話ではないのに、そのニュースを知りませんでした。
 原田マハさんが得意とする美術ジャンルの作品で、四つの作品で構成されています。
 実話に基づくフィクション、つまりは破綻したデトロイト市からどのようにこの美術館が守られたかという美談ですが、原田さんの筆は決してその美談を押し付けるものではありません。
 どころか、貧しい生活からわずかなお金を差し出すフレッドという男の、絵画に寄せる思いの方に心うたれます。
 彼が愛した一枚の絵。
 それが表紙の装丁にも使われている、セザンヌの「画家の夫人」という絵です。

 この絵が四つの章それぞれに登場します。
 その都度、原田さんはこの絵画の魅力をそれぞれの言葉で紡いでいて、セザンヌ絵画の奥深い世界を現出させてみせます。
 小さな作品ですが、抱きしめたくなるような一冊です。
  
(2016/12/22 投稿)

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