プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  平松洋子さんのエッセイ集
  『彼女の家出』を紹介します。
  平松洋子さんとは
  年齢も近いので
  (といっても彼女の方が若いですよ、もちろん)
  話の内容は
  同世代的で好きです。
  この本の中の
  「本と映画とうまいもん」というエッセイも
  そんな同時代的。

    いったん映画館の暗闇に身を置けば、
    そこには自分の居場所がたしかに与えられていた。

  なんて文章は
  私にも身に覚えがある。
  いやあ、いいな。
  平松洋子さん。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  鍵の束をじゃらじゃらさせて                   

 平松洋子さんといえば、食についてのエッセイとか本に関しての話とかをつい浮かべてしまうが、どうもそうではないらしい。
 この本は平松さんのエッセイ集だが、その世界のなんとも広いことか。
 代名詞でもある食だけでなく、本や映画、さらにはファッション、あるいはどこにでもあるような日常のささやかな風景まで、実にみごとに平松洋子さんの文章として結実している。
 そのあたりのことを、「あとがき」でこう綴っている。
 「どうやら女は、扉を開けるたくさんの鍵を手中に握っているみたい。あたふたしていますと言いながら、じつは、鍵の束をじゃらじゃらさせているのは女の年の功だと思えば、痛快な気持ちになってくる」。
 おみそれしました。

 このエッセイ集は三つの単元に分かれている。
 表題にもなった「彼女の家出」(このエッセイには主婦の反抗ともいえる家出の話が描かれているが、平松さん自身がにやにや愉しんでいる風でもある)、「夜中の腕まくり」、それと「下着の捨てどき」である。
 「下着の捨てどき」はタイトルに示す通りファッション関係のエッセイが多い。
 ところで、「下着の捨てどき」とはなんともドキッとするタイトルだし、内容も男性にとっては興味深い。

 もちろん相変わらず食についてのエッセイは切れ味抜群で、「しみじみ思うのだが、お弁当とは何事かを伝える手紙にほかならない」なんて、うまい文章だ。
 特に前半の「しみじみ思うのだが」と書くあたり、なんとも平松さんらしくて好きだ。
  
(2017/01/06 投稿)

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