プレゼント 書評こぼれ話

  年末に
  本棚の整理をしたことは
  以前書きましたが
  その時ひょっこり見つけたのが
  上村一夫の『凍鶴』。
  なんといっても
  今年は酉年
  なんともぴったしの一冊です。
  上村一夫
  昨年没後30年を迎えましたが
  私には
  いつまでも心に残る漫画家です。
  青年期、
  上村一夫の漫画に
  どれほど胸ときめかしたことでしょう。
  ちなみに
  私の持っているこの文庫本には
  上村一夫の親友
  阿久悠が巻末エッセイを書いています。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  酉年に読んでおきたい漫画                   

 「昭和の絵師」と呼ばれた漫画家上村一夫が亡くなって、昨年(2016年)で30年経った。
 亡くなったのが昭和61年。
 昭和も遠くなったものだ。
 この作品は『同棲時代』で人気漫画家となった上村がビックコミック誌上に1974年から80年にかけて不定期に連載したものだ。

 時代は中国との戦争が拡大し始めた昭和の初め。貧しい田舎からわずかなお金で「置屋」に売られてきた「仕込っ子」つるの半生を描いている。
 全14話のうち「仕込っ子」時代を描いたのが7話までで、8話以降は美しい芸者「おつる」の話となっている。
 この、まだ胸も膨らむ前の少女がつると呼ばれたのは「故郷で子守をして」いて「凍えた足をぬくもらせるためにいつも片足で立っていた」、そう鶴のように、だから。
 そういう貧しい時代が昭和の初めにはあった。

 「置屋」を舞台にしているから、意に染まない男との交わりといった女たちの哀しい姿が描かれているが、上村の描く女性の美しさといったらどうだろう。
 上村にはそういう女性の美しさを掘り当てる才能があったのか、少女時代のつるは特別の美少女として描かれてはいない。
 年を経て、経験を重ね、つるは「おつる」となって、美しい女性へ変貌する。
 それは蝶の変身に似ている。
 上村漫画の醍醐味はそういった女性の変化の美しさともいえる。

 やや唐突に物語が終わりを迎えるのは残念であるが、脂ののった時期の上村漫画を楽しめる作品だ。
  
(2017/01/07 投稿)

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