プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  赤田祐一さんとばるぼらさんによる
  『消されたマンガ』という
  問題作を紹介します。
  問題作といっても
  マンガ好きな人にとっては
  懐かしのマンガが起こした事件が
  たくさん収録されていて
  それはそれで面白い。
  なかに現在の自主規制の証言もあって
  最近の自主規制はスゴすぎみたいな
  裏話も載っています。
  例えば、「〇〇屋」の「屋」。
  あれがダメというのですから。
  八百屋ではなく
  青果店。
  そば屋でなく
  そば店。
  どうなんでしょうか、そこまでくると。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  それはマンガだったからなのか                   

 焚書というのは過去の歴史の事件かと思っていたが、「クールジャパン」と今では称賛されることの多いマンガの世界でも焚書はあったし、今もそれは残っている。
 この本はそんな「消された」マンガを集め、何故それらが「消された」のかを検証した問題作である。

 手塚治虫といえば「漫画の神様」と今でも称賛される漫画家だが、手塚はもしかしたらもっとも攻撃された漫画家の一人かもしれない。
 手塚などの活躍により昭和40年代にかけて大学生までもの漫画を読むと嘆かれた時代、手塚の作品を攻撃することは「見せしめ」としても効果があったのだろう。
 人種差別、歴史上の誤認、身体的障害、性や暴力表現、さまざまな場面で手塚は攻撃されていく。
 しかし、手塚はそれらに屈することはなかった。
 おそらく手塚自身が劇画という新しい表現に対峙しながら、漫画の攻撃とも戦い続ける。
 現代の漫画の隆盛はやはりそういった先人たちのおかげといっていい。

 では、そういった漫画に対する攻撃は減ったかというと、歴年体で編まれたこの本では2000年以降の作品でも「消された」ものがあるという。
 そのなかには漫画家の他の作品からのトレース問題などネット時代ならではの指摘や攻撃も生まれている。

 進化ということはすべてが許されることではない。
 言葉や表現は進化することで差別的な言い方を抑制してきた。それは評価すべきことだろう。
 その一方で過剰な抑制は自由な発想を縛ってきたのも事実だ。
 マンガという媒体を通して、そのことを考えてみるのもいい。
  
(2017/01/11 投稿)

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