プレゼント 書評こぼれ話

  昨日第156回芥川賞直木賞が発表されました。
  芥川賞
  山下澄人さんの『しんせかい』。
  直木賞
  恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』。

  

  山下澄人さんは倉本聰さんの富良野塾の卒業生です。
  受賞作も
  著者自身「私小説」と呼んでもいいというぐらいですから
  これは面白そう。
  一方の恩田陸さんは
  すでに『夜のピクニック』で第2回本屋大賞を受賞している程ですから
  新人というか
  中堅というか
  大物ですよね。
  まあそれでも受賞はうれしい。
  今日は芥川賞直木賞を記念して
  文春文庫から出たばかりの
  川口則弘さんの『芥川賞物語』を
  紹介します。
  もちろん、
  この本にはまだ山下澄人さんのことは
  載っていません。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  日本人は芥川賞が大好き                   

 この文庫本のもととなるバジリコ版の単行本が出版されたのは2013年の1月で、書かれているのが日本でもっとも有名な文学賞である芥川賞の歴代受賞劇にかかる悲喜劇事情である。
 当然そのあとも芥川賞は営々と続いているわけで、今回の文庫化にあたっては単行本化のあとの第148回から第155回分が追記されている。
 ちなみにこれらの回の受賞作を即座に言える人は少ないのではないだろうか。
 言えたとしても又吉直樹氏の『火花』(第153回)か、せいぜい前回の第155回の『コンビニ人間』(村田紗耶香)ぐらいだろう。
 二つの間の第154回の受賞作すら忘れている人は多いのではないか。

 発表時には注目される。
 しかし、それがいつまでも続くわけではない。
 そのあたりにことを川口氏は文庫本の版で「何十年やっても、百五十回以上やっても、結局深く興味をもつのは一部のマニアだけで、大多数に浸透することはなかった」とし、だからこそ「長年にわたって芥川賞が注目を保ちつづけている理由」と、煙にまくような説明をしている。
 私が考えるのは習慣である。
 芥川賞は単なる習慣に過ぎなく、習慣ゆえに人々は安心しているだけのような気がする。
 さらには出版事情とも密接につながっているから、この賞があるだけで本の売れ行きにも影響することは間違いない。

 芥川賞の一方で直木賞がある。
 著者の川口氏は「文庫版あとがき」にでも、自身が直木賞好きであることを告白しているが、残念ながらこうして文庫本化されるのは芥川賞の方だ。
 つまるところ、日本人は芥川賞が好きなのだ。
  
(2017/01/20 投稿)

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