プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  今年2冊めの
  山本周五郎の作品です。
  『ひとごろし』。
  表題作になった「ひとごろし」は
  書評に書いたように
  松田優作が主人公の臆病な若侍を演じたということで
  話題となりました。
  1976年ですから
  もう40年以上前の映画になります。
  以前書きましたが
  今回山本周五郎を読もうと思ったきっかけは
  石田衣良さんの講演会で
  その中で石田衣良さんがいいといった短編のひとつが
  この文庫にはいっている
  「裏の木戸はあいている」でした。
  読んで思ったのですが
  やはり人の好みは
  ちがうものですね。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  自分の好みをさがす                   

 一口に時代小説歴史小説といっても、扱われる題材によって「武家もの」だとか「市井もの」とか区分されるようです。
 一人の作家が書く作品でも同じことで、山本周五郎の作品でもいろんなジャンルがあります。
 かつて松田優作が主演したことでも知られる、この新潮文庫の表題作にもなっている『ひとごろし』は「こっけいもの」というジャンルにはいると、文庫解説で木村久邇典氏が書いています。
 藩でも有名な臆病者の六兵衛が荒くれ侍の上意討ちに向かうそのさま、あるいは臆病者なりの驚くべき方法など「こっけい」ではありますが、人間の真実を描いた、いい読み物になっています。
 この文庫ではそのほかにも「こっけいもの」に括られるいい短編がまだ収録されています。
 『女は同じ物語』は読み終わったあとにほのぼのしますし、『しゅるしゅる』はこの文庫の作品の中では一番好みです。
 どちらの作品も男と女の関係の機微がうまく描かれています。

 『裏の木戸はあいている』は「武家もの」の名作です。貧しい人々のために自己を犠牲にしながらも裏庭にこっそりとお金を置いているという設定ですが、私にはあまりに生真面目すぎる気がしました。
 『地蔵』という作品は「平安朝もの」。「平安朝」と聞けば、華憐な宮廷を想像しますが、山本周五郎が描くのは末端の人々。この作品でも詐欺をおこなっている愚かな男二人組を描いています。二人の絶妙なやりとりが面白い。
 そのほか、『壺』は荒木又右衛門が登場、『暴風雨の中』は「一場面もの」、『雪と泥』は「岡場所もの」、『鵜』は幻想小説のような味わいをもった作品です。
  
(2017/01/26 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3093-3e0eb16d