プレゼント 書評こぼれ話

  今日は建国記念日
  もともとは紀元節と呼ばれていました。
  明治5年に制定されたとありますから
  今日紹介する
  朝井まかてさんの『落陽』で描かれた時代には
  すでにあった祝日です。
  さて、この小説ですが
  明治神宮造営に至る経緯を
  描いています。
  平成の私たちからすると
  神宮の杜は
  とても森閑とした鬱蒼とした森ですが
  実は森には適さないと
  最初はこの地に造営することに
  反対もあったようです。
  そういうことを思うと
  今私たちはなんとも尊い光景を
  目にしていることでしょう。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  朝井まかての「坂の上の雲」                   

 明治神宮に参拝すると、その沿革を記した掲示がある。そこにはこの地が井伊家の下屋敷址ということが記されているが、じっくりと読む人はあまりいないのではないかと思う。
 ましてや本殿を囲む森閑とした神宮の杜について、ここが大正期に造営されたと知る人も少ないのではないだろうか。
 その事実を知ると、壮大な計画や造営に驚くばかりだ。
 ではそれはどのように作られていったのか。
 直木賞作家の朝井まかてさんはその過程を実に丹念に描いていく。

 これは小説であるが、そこには多くの事実が描かれている。だから、巻末につけられた「参考文献」の数々を今回はじっくり見た。
 それらの中から何を描き、何を省略し、何を描かなかったか。
 明治神宮がどのようにして造営されていったという記録というより、その周辺で蠢く訳ありな新聞記者亮一を配することで、朝井さんは明治天皇という幕末から近代国家を成立させた帝の思いとその思いのもとに生きた明治の人たちの姿を描いていったと読める。
 つまり、この作品は朝井さんの「坂の上の雲」ともいえる。

 幕府の崩壊、明治という国家の誕生、日清・日露の戦争、それらを経て、日本は「帝の国」を作り上げた。
 そのことを主人公の思いに託して、「明治という時代はやはり「奇跡」」であったと、朝井さんは書く。
 明治神宮の造営はそういう「奇跡」が成し遂げたものだし、朝井さんがこの作品を書きあがたのもまた「奇跡」といえば大げさになるが、心のこもった一作になった。
  
(2017/02/11 投稿)

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