プレゼント 書評こぼれ話

  今日はバレンタインデ

    いつ渡そバレンタインのチョコレート    田畑 美穂女

  すっかり定着した愛の日ながら
  俳句の世界では
  いまひとついい句がないように思います。
  バレンタインという6文字が
  作句にあわないのかも。
  それでも
  さがせば冒頭の句のような
  いかにもという感じの俳句が見つかります。
  そんな俳句に思いのままの文章をつけたエッセイ集
  小沢信男さんの『俳句世がたり』を
  紹介します。
  日々の生活にあった俳句をみつけた時のうれしさは
  きっと誰にもあると
  思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  俳句を日記のようにして                   

 この新書は岩波新書ではあるが、この本の基となった初出連載はみすず書房の月刊誌「みすず」だというから、岩波とみすずも気が合ったのであろう。
 気が合うといえば、俳句とエッセイというのもうまがあう。
 「おりおりにこころ惹かれる句々を手控え」、それらを「日々の思案や感慨の、引きだし役やまとめ役」としてエッセイが生まれる。
 月刊誌での連載であるから、それが1年11本。1本少ないのは合併号がはいる影響らしい。

 そうはいっても、どうも著者のなかでは揺るがない歳時記があるようで、例えば3月は東京大空襲だし、8月は原爆に終戦。9月は関東大震災。
 これらはどうも不動らしい。
 それに2011年の東日本大震災が加わり、原発事故にも関心は向く。
 そもそも著者は1927年生まれというからその気概の若々しさに頭がさがる。
 そういう著者だから、「十七文字ぐらいどこでもヒネれて、四季おりおりの推移が楽しめ」る俳句は老人の趣味といいたくもなるが、俳句には詩以上の「老壮青にもまたがるみずみずしさが、なおあるか」とつぶやくのもわかる。

 それにしても、俳句という文芸の多彩なことか。
 きっと人の一生がどれほど伸びたとしても枯れることのない泉のごとくであろう。
 その泉をどれだけ見つけることができるかで、その人の人生の豊かさも変わってくるのではないか。
 この作品は、著者の人生は豊かだからこそ誕生したものだと思う。
  
(2017/02/14 投稿)

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