プレゼント 書評こぼれ話

  作家というのは
  同時代の人がいい。
  発表する作品のたびに
  読めるというのが
  いかにもいい。
  松本清張だとか
  司馬遼太郎といった
  たくさんの作品を書いた作家たちと
  同時代だった読者は
  追いまくられるようにして
  読んだのではないだろうか。
  今の私にとっては
  葉室麟さんがそんな作家のひとり。
  今回は『あおなり道場始末』。
  軽そうにみえて
  私は好きだな、この物語。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  この小説、拾いもの                   

 時に人は肩に力が入り過ぎて気合が感じるものの、その人なりの個性が生きてこないとうことはよくある。
 逆に肩の力を少し抜いた方がよかったりする。
 そうはいってもどの作品であれ力の入れようは同じなのかもしれない。
 これはあくまでも読者の印象である。
 例えば、葉室麟のこの作品にしても、力の配分を、コミック調の表紙装画や人を喰ったようなタイトルで判断すべきではないが、案外こういうものがよかったりすると得をした気分になる。

 この作品は九州豊後の坪内藩という城下にある剣術道場が舞台となっている。
 なんだか摑みどころがなく「不愛想な顔」の青鳴(あおなり)権平と、その妹「男装の女人」千草、その弟「こましゃくれた態度の子供」勘六の三人のきょうだいが主人公である。
 彼らの父は城下でも有数の剣客であったが、ある時不審な死をとげる。
 父を討ったのは誰なのか、城下に残された他の道場に道場破りという仕掛けで犯人さがしに挑むきょうだい。

 権平に葉室の他の作品にあるような大人の苦渋のようなものはない。
 しかし、その力の抜けた感じがなんともいえずにいい。
 若い時にはあまり気がまわるよりも、これぐらいがちょうどいいのかもしれない。まさに恋の予感にも、相手の想いに気づかないほどに。

 やがて、きょうだいのそれぞれの素性が明らかになっていくとともに、父を殺した犯人へともたどりついていく。
 彼らきょうだいが最後にどんな道を選択したかはお楽しみにとっておくとする。
  
(2017/03/08 投稿)

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