プレゼント 書評こぼれ話

  今日は二十四節気のひとつ、
  啓蟄(けいちつ)
  暖かくなってきて冬眠していた
  虫たちが穴を出る頃。

    啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる     山口 青邨

  一歩一歩春が近づいています。
  今日は
  京極夏彦さんが文を書いた
  『ざしきわらし』という絵本を紹介します。
  原作は柳田国男の『遠野物語』。
  『遠野物語』は岩手県遠野市で伝えられた
  民話ですが
  座敷わらしは全国にいました。
  私は残念ながら
  見かけたことがありませんが
  そういう童衆がきっと
  いたのだろうと思います。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ぞくぞく                   

 思わずぞくぞくすることがある。
 このぞくぞくは、恐怖といってもいい。
 暗い夜、誰もいるはずもない処にものの気配を感じたりするときのぞくぞく。
 そんなものではないはずだが、この絵本を読み終わった時、思わずぞくぞくした。

 柳田国男の『遠野物語』は今でも読まれている民俗学の書である。
 そこに書かれている内容を京極夏彦氏が子どもにも読める文章にし、さらに気鋭の画家たちにその異様な感じを絵にして、絵本の体裁に仕上げたのが「えほん遠野物語」シリーズである。
 この巻では「ざしきわらし」(漢字で記すと座敷童衆となることが柳田の作品には書かれている)が取り上げられている。
 私は「座敷わらし」は男児とばかり思っていたが、女児もいることをこの絵本で初めて知った。
 さらには家に一人と思ってもいたが、二人が住むこともあるらしい。
 この絵本の後半ではこのふたりの童女の「座敷わらし」が家を出ていくところから話が始まる。
 「座敷わらし」が出ていった(しかも二人も)ので、その家の没落が始まるのだが、その家の没落のさまが恐ろしい。

 家の庭の梨の木の下にはえていた毒キノコで、この家のもの全員亡くなったという。
 たまたま外に遊びにいっていた七つの女の子だけは助かったが、結婚もせず年老いて死んだという。
 どういうきっかけで「座敷わらし」がいなくなったか知らないが、一人ぐらいは残ってあげればよかったのにと思わないでもない。
 それにしても、ぞくぞくするのは町田尚子氏の絵の怖さだろうか。
  
(2017/03/05 投稿)

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