プレゼント 書評こぼれ話

  東日本大震災から6年。

  2011年3月11日午後2時46分。
  あの日皆さんは何をしていましたか。
  私は今でもあの日のことを
  くっきり思い出すことができます。
  東京にいた私でさえそうなのです。
  あの日東北にいた人たちの
  記憶はどんなにつらいものでしょう。
  6年という時間の厚みが
  どれほどのものかわかりませんが
  それぐらいで
  人びとの悲しみは消えないくらいのことは
  わかります。
  東日本大震災が私たちに残したものを
  次の世代につなげていく。
  それは忘れてはいけないことだと思います。
  今日は
  吉村昭さんの『三陸海岸大津波』を
  再読書評として紹介します。

  海に、こうべをたれて。

  

sai.wingpen  何度でも読み返したい一冊                   

 またあの日を迎えました。
 3月11日。
 これからも何度でもやってくる一日ではありますが、2011年のあの日から私たちにとってこの日は特別なものになりました。
 2011年3月11日午後2時46分、発生した地震とそのあとの大津波は今を生きる私たちにとって想像もしなかったものでした。
 死者の数は1万5千人を超え、今も行方のわからない人は2千人以上います。
 かつて三陸海岸を襲った大津波のことを記録したこの本を読むたびに、もしあの日作者の吉村昭氏が存命であればあの日の光景を見てどう思っただろうと考えてしまいます。
 だから警告していたのにと思ったでしょうか。それとも、もっと声を大にして叫んでいたらよかったと悔やんだでしょうか。

 三陸海岸には東日本大震災以前にもたびたび大きな津波が襲っています。
 その中でも被害の大きかった明治29年と昭和8年、それと昭和35年のチリ地震の際の津波を記録したのがこの作品です。
 初出は1970年の中公新書ですから、かなり以前の作品です。吉村氏もまだ40代前半でした。
 現地の図書館での資料探索から始まって、明治の津波を知る古老をたずね、昭和の津波ではその当時の被災状況を綴った児童の作文にまで目を通しています。
 そして、最後に紹介されていた「津波は、時世が変ってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。しかし、(中略)死ぬ人はめったにないと思う」と古老の言葉は、実にあっけなく覆えられてしまうことになりました。

 そのことこそ、この本の重い教訓ではないでしょうか。
 これからも津波は襲ってくるでしょう。そして、油断をしていれば、また悲劇は繰り返されるのだと。
  
(2017/03/11 投稿)

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