プレゼント 書評こぼれ話

  昨日第156回芥川賞受賞作
  山下澄人さんの『しんせかい』を
  紹介したので
  今日は芥川賞関連の一冊を。
  小谷野敦さんの
  『芥川賞の偏差値』。
  毒舌という言葉がありますが
  この本の小谷野敦さんも
  ズバズバ書いております。
  思わず、
  こんなこと書いちゃって怒られないのって
  心配するくらい。
  まあズバズバ書いたから
  正しいということはないですが。
  小気味いいことは
  間違いない。
  私もこんな風に
  云ってみたいけど…。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  文学の評価は難しい                   

 「偏差値」というのは、「集団の平均値よりもどれくらい上または下に偏っているかを、標準偏差を目盛りとして表すものである」と調べると出てくる。
 わかったようなわからないような説明だが、そういう「偏差値」に悩まされて人は成長していくともいえる。
 この本でいえば、芥川賞の「受賞作の中での偏差値」とある。
 点数の方がわかりやすいと思うが、文学には似合わないと著者はいう。
 じゃあ、「偏差値」が合うかというと、さてどうだろう。

 著者の小谷野敦氏は比較文学者だが、小説家でもある。
 かつて2度芥川賞の候補にもあがっているが、受賞には至っていない。
 そういう感情って、「偏差値」に影響しないのだろうか。
 それは措くとして、この本のいいところは一番近い第156回芥川賞の、山下澄人氏の『しんせかい』(偏差値は48だが)まで網羅していることと、受賞作の表紙画像が初書籍化当時のものを使っている点だろう。

 なんといっても表紙画像を見るだけで、帯に「芥川賞受賞」という文字が躍っているのが目につく。
 この本で見ると、第10回受賞作『密猟者』(寒川光太郎)で、すでにその文字が見える。
 そういう点では、芥川賞という賞が宣伝効果を持っていることは事実だし、読書をするかどうかの判断基準のひとつとして、芥川賞に限らず賞の効果はあるのだろう。

 芥川賞と直木賞の人気の差であるが、小谷野氏は受賞発表の掲載誌の違いをあげている。
 文学なんかに興味もない人も雑誌「文藝春秋」は読む。一方の「オール讀物」は読まない。
 なるほど。そうかもしれない。
  
(2017/04/14 投稿)

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