プレゼント 書評こぼれ話

  今日は昭和の日
  私達のような昭和世代でいえば
  昭和天皇誕生日の祝日。
  今日から何連休だろうと
  指折っている人もいるでしょうが
  ゴールデンウィークのはじまりです。
  まあ遠出はできなくても
  弁当持って
  近くの公園に出かけるのもいいではないか。
  そんなささやかな幸せの単位のような
  家族も
  いいですよね。
  この季節、そんな瑞々しい
  若い家族が似合います。
  そんな人たちにも読んでもらいたい歌集めいた一冊を
  今日は紹介しましょう。
  河野裕子さんと永田和宏さんが編んだ
  『たとへば君 四十年の恋歌』。
  歌でも詠み合ってみるのも
  いいではないか。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  うたに抱かれて                   

 人がその姿かたち、性格とさまざまであるように、家族のありようもさまざまだ。
 昭和と呼ばれた時代の家族像と平成のそれでも違うだろう。
 それでも、家族は生活のひとつの単位ではある。
 そのもとになるのが夫婦だろう。
 大学の時の出会いから伴侶のガン死まで四十年にわたる夫婦が残してきたもの。
 それは夥しい数の歌であった。
 特異ではあるが、それもまたひとつの夫婦像、家族像なのだ。

 本書は、2010年8月に乳がんで亡くなった歌人河野(かわの)裕子とその夫である同じく歌人永田和宏の、その出会いから別れまでの長い期間に互いに詠み合った相聞歌ともいえる短歌の数々と、二人のその時々のエッセイを抜粋して出来上がっている。
 タイトルにもなっている「たとへば君」は、まさに二人の出会いの頃に河野が詠んだこんな歌からとられている。
 「たとへば君 ガサッと落葉すくふやうに私をさらつて行つてくれぬか」。

 そういう若い愛を詠んだ歌を好きな読者もあるだろうが、やはり私は河野の短歌の代名詞ともいえる、家族を詠ったそれの方が好きだ。
 「たつたこれだけの家族であるよ子を二人あひだにおきて山道のぼる」。
 この歌のあとに、「これからも私は、たったこれだけの家族にかかずらわって歌を作ってゆく」、河野のこんな文章を添えて、エッセイも残している。 

 それでいて、河野は療養中何度も狂気のふちを歩くことになる。
 家族はそんな妻をそんな母を受け入れるしかない。
 そういう凄惨な事実を家族という殻で包み込むのもまた、家族なのだ。
 河野はそれさえもすべてわかって、この世を旅立ったにちがいない。
  
(2017/04/29 投稿)

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