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プレゼント 書評こぼれ話

  年をとってくると
  最近太ったね、よりも
  お、痩せたんじゃない、は
  危険な言葉のような気がする。
  云われた方も
  なんだかビクッとして
  そうかな、そんなに変わんないだけどと言ったり
  ジムに通ったりしてるからなんて言い訳めいたことを
  言ったりする。
  あとで、こっそりあいつ大丈夫かなんて
  言われてなんかいないか。
  そういうデリケートな年頃なんだぞ、
  60歳を過ぎると。
  そこで明るく、
  東海林さだおさんのように言わないと。
  ガンになっちゃったって。
  『ガン入院オロオロ日記』。
  面白いですぞ。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ガン見舞いはむづかしい                   

 ガンの人をお見舞いというのはむづかしい。
 なんか顔に「あとどれくらいの命なんですか」みたいな表情が出るのではないか、もしその人がガンの告知を受けていなかったら、「ガン」なんて言葉は使えない。
 昨日の晩ごはんは「がんもどき」なんて絶対言えない。昔見た「さすらいのガンマン」も言えない。「ガンばって」もあぶない。
 そうなのだ、ガンの人を見舞うのは難しいのだ。

 ところがこの本、あの東海林さだおさんが自ら「ガン」であることをカミングアウト、しかも人生初の長期(40日は長いかという問題はあるが)入院を少し(というか、かなり)誇らしげに綴ったエッセイをメインに(書名にもなっているからメインなんだけど、17篇あるエッセイや対談の3篇をもってメインと呼んでいいのかと思わないでもないが)なっているエッセイ集。
 まあ入院といっても3篇なんだから、あんまりやばい話に踏み込んでも困るので、話を変えると、やはり東海林さんは食べ物のエッセイが面白く、この本では「粉もん」とか「ミリメシ(ミリタリーメシということらしい)」とか「肉フェス」突撃レポートとか蕎麦街道の旅とか、がやはり面白い。

 この本は雑誌「オール讀物」に連載されている「男の分別学」の2014年4月号から2016年4月号までをまとめたもので、そうなると食べ物の話も入院の話も「男の分別」の範疇になるのであって、男子たるもの一度は長期入院で治験を高める必要もあるようだ。
 残念ながら健康という人は、この本でお腹の皮をねじってみてはどうだろう。
  
(2017/05/12 投稿)

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