昨日紹介した
 津村節子さんの『時の名残り』というエッセイ集のなかに
 「ひぐらしの里」という文章があります。
 それを読んで
 ハッとさせられました。
 このエッセイには
 津村節子さんの夫吉村昭さんの生前に
 荒川区長であった西川太一郎さんが訪ねてきて
 吉村昭文学館を建てたいと申し出られたことが書かれています。
 その時は吉村昭さんは固辞したそうです。
 その後も西川区長は熱心で、ついに計画が実行されることになります。
 津村節子さんのエッセイから引用します。

   文学に親しみ、文化を育む空間として、図書館、文学館、子ども施設の
   三つの機能を持つ複合施設設立が進められた。資料を整理管理する学芸員の方たちも
   充実している。
   平成29年3月に開館する複合施設「ゆいの森あらかわ」の中の
   「吉村昭記念文学館」となり、
   吉村が愛してやまなかったふるさとに、
   かれは帰ってくるのである。


 この日付に「ハッと」させられたわけです。
 吉村昭さんの文学館ができるって話を耳にしていて
 すっかり忘れていたわけで
 そうか、ついに出来たか、
 ならば行くしかないと
 初夏の陽気のような
 5月12日に行ってきました。

 もよりの駅は
 地下鉄千代田線の「町屋」駅。
 もちろん京成線の「町屋」でも
 都電荒川線でも大丈夫。
 ちょうど都電の線路脇ではバラが見頃を迎えていました。
 そこへ都電がやってきたので、
 思わずパチリ。

  CIMG2005_convert_20170513120742.jpg

 そこから歩いて10分たらずで
 「ゆいの森あらかわ」に着きます。

  CIMG2004_convert_20170513120711.jpg

 「ゆい」というのは
 漢字で書くと「」。

   人と人、本と人、地域と人、文化と人が結びつき、…

 と、その名前の由来があります。
 津村節子さんのエッセイにあるように
 ここは荒川区の中央図書館吉村昭記念文学館、それに子どもひろば
 併設されています。
 たまたま裏の方から入ったのですが
 いきなりえほん館
 柳田邦男さんの薦める絵本がずらり。
 荒川区では柳田邦男絵本大賞という企画もしています。
 それに吹き抜けになったホールがあって
 その壁面にも絵本がずらり。
 きっとこういう環境だったら
 子どもたちも本が大好きになるだろうな。

 吉村昭記念文学館
 2階にあります。
 こちらが入り口。

  CIMG2003_convert_20170513120636.jpg

 常設展示のコーナーでは
 吉村昭さんの足跡を順にたどることができます。
 奥に吉村昭さんの書斎が復元されています。
 奥さんの津村節子さんが書いた「開館に寄せて」という文章に
 この書斎のことも綴られています。

   机は資料を置くために長い板を窓の前に設置したもので、
   その右手脇にカルテ棚を設け、取材ノートや書き上げた原稿を
   納めていた。


 ちなみにこの机の前の椅子には座れますよ。
 気分は
 すっかり吉村昭です。

 吉村昭さんの作品草稿や原稿の復元品もあるのですが
 実に細かい字でびっしり書かれています。
 作家吉村昭さんの真摯な精神に触れる感じです。
 今開館記念企画展として
 「映像化された吉村作品の世界」が展示されています。
 こちらは7月23日までの企画です。
 そうそうこの文学館の入場は無料というのもいいですよね。
 あっぱれ! 荒川区。

 実はこの図書館には
 「現代俳句センター」というコーナーもあって
 現代俳人の句集や結社誌もずらりと並んでいます。
 こういう空間に一日いたら
 どんなに幸せでしょうか。

 今度また行ってみたい
 ゆいの森あらかわでした。

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