プレゼント 書評こぼれ話

  今日紹介する
  川上弘美さんの「東京日記」も
  5冊めとなりました。
  最初が『卵一個ぶんのお祝い。
  2005年の出版ですから
  もう10年以上前のこと。
  そして、
  今回が『赤いゾンビ、青いゾンビ。
  門馬則雄さんの不思議な挿絵も
  健在です。
  こういう感覚派の文章は
  川上弘美さんならではで、
  ここでも「不思議な中毒性」を
  感じます。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  三行半のような日記                   

 初出といってもこれは「WEB平凡」とあるから本でも雑誌でもない。
 それでも見る時は活字であるから、初出というのだろう。
 何しろ人気コンテンツで、書籍化もこの本で5巻め。よく続くものだ。
 小説ではない。エッセイに近いかもしれない。いや、単なるメモだという人もいるだろう。
 唐突だが「三行半(みくだりはん)」という言葉がある。江戸時代に行われていた夫から妻への離縁状のことで、だいたい三行と半分、文が書かれていたという。
 それに近いかもしれない。誰を離縁するということでもないが。

 この本の「あとがき」で、川上弘美はこの本は「たいがい、ほんとうのこと」を書いているとカミングアウトしている。
 それを本当と思うかどうかは読者次第だろうが、私は「まさかね」と少々怪しんでいる。
 本書のタイトルにもなっているゾンビの話は9月の某日、雨の日に乗ったタクシーの運転手がよく喋るということ(これはきっと本当)で、降りる時にタクシー料金を生まれてはじめてまけてもらった(これもきっと本当)。だけど、青いゾンビにはなりたくないとかそんな話するだろうか、タクシーの運転手と。(このあたり怪しいのだが、段々自信がなくなってきた)

 何しろ東京の日常生活だから、本当が嘘みたいに見えてもおかしくないし、嘘が本当に見えても納得がいく。
 それをすくいとる能力が川上弘美の場合抜群に高いのだろう。
 それでなくても、時々異界をさまよっているふうだし。
  
(2017/06/02 投稿)

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