プレゼント 書評こぼれ話

  そろそろまた夏の文庫まつり
  本屋さんで展開される頃です。
  毎年書いていますが
  新潮文庫の100冊から
  井上ひさしさんが消えて久しい。
  これは絶対いけません。
  少なくとも
  井上ひさしさんの『父と暮せば』は
  途切れさせてはいけないと
  思います。
  今年はどうでしょうか。
  やっぱり期待できないのかな。
  今日は井上ひさしさんと
  次女の井上綾さんの往復書簡
  『井上ひさしから、娘へ』を
  紹介します。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  井上ひさしさんの本が消えませんように                   

 作家であり劇作家でもあった井上ひさしさんが亡くなったのは2010年4月ですから、かなりの歳月が過ぎたことになります。
 それでもこうして生前次女と、雑誌「月刊いちかわ」の連載とはいえ、交わした往復書簡が単行本化されるのですから、まだまだ人気が高い作家でもあります。
 しかし、井上さんと往復書簡を交わした次女の綾さんが「あとがきにかえて」という巻末の文章で「父の本が、本屋さんから消えませんように。」と切実に書いているように、直木賞作家とはいえ井上さんの本が本屋さんから消えてしまうということがないわけでもない。
 こういう本を契機に、もう一度井上さんの小説なり戯曲なりが読まれたら、どんなにいいでしょう。

 さて、この本ですが、なかなか読者には難しいものがあります。
 それは往復書簡の一方の相手である娘の綾さんのことがよくわからないことです。
 読んでいくと井上家でも問題児だったのだろうとか精神的に弱いところがある女性だとかがなんとなくわかるのですが、この父娘の書簡が互いに響きあっているようには思えません。
 綾さんには井上さんは甘えられるたった一人の父親だったのでしょう。しかも、かなり有名で、忙しくて、家庭のいざこざを一身でしょい込んでいるような。

 一方の井上さんの書簡の方も次女を気遣いながらもあまり父娘の関係に深入りするようなことはありません。
 昔の思い出とか井上さんの母親のこととかを記しています。
 そのあたりから井上ひさしという作家の像が浮かびあがってきます。
  
(2017/06/20 投稿)

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