プレゼント 書評こぼれ話

  偶々、
  佐野洋子さんの『役にたたない日々』と
  今日紹介する
  ちばてつやさんの『屋根うらの絵本かき』を
  続けざまに読んだのですが
  このお二人とも
  中国からの引揚者でした。
  生まれた年も近く、
  ともに10歳にも満たない年で
  過酷な日々を過ごしたことになります。
  それでも
  生きていれば
  一人は絵本作家に
  また一人は漫画家になるのですから
  いのちとは
  本当に尊い。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  ちば漫画はこうして生まれた                   

 絵本作家佐野洋子さんは1938年生まれ。終戦の後、2年中国の大連で飢えとともに過ごし、日本へ引きあげてきた。その年、四歳の弟が死に、翌年兄を亡くしている。佐野さんは「栄養失調だったんだと思う」と書いている。
 よく似た体験を、この本の著者漫画家ちばてつやさんも過ごしている。
 ちばさんは1939年生まれ。満州の奉天で終戦を迎えた。
 この自伝ではその時の辛い思い出が何ページかにわたって描かれている。
 書名の「屋根うらの絵本かき」はその混乱期に一人の中国人によって匿われた時の生活シーンからとられている。

 ちばてつやさんといえば、「あしたのジョー」や「のたり松太郎」といった少年向けの作品で有名だが、この自伝ではそういった作品にかかるエピソードも描かれている、少女漫画も私は好きだ。(この自伝ではあまり取り上げられていないのが残念だが)
 ちばさんの描いてきた漫画で自分の子供時代を振り返れば、老成していたようなちば漫画であったが、あの「あしたのジョー」を描いていた時ちばさんはまだ30歳になったばかりだったことに驚いてしまう。

 そんなちばさんだが、母親にはいつまでも頭があがらなかったそうだ。
 そういえば、佐野洋子さんも「あの敗戦の混乱期をどうにか切り抜けたのはなりふりかまわぬ小母さんパワーだった」と書いているが、ちば漫画の原点も、幼い子どもを抱えながら中国から引きあげてきたお母さんの力が大きかったのだと思う。
 この本には、ちばさんの自伝エピソード漫画も数編収録されている。
  
(2017/06/22 投稿)

  芽 「ブログランキング」に参加しています。
     応援よろしくお願いします。
     (↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 今日もクリックありがとうございます)
 
    にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

レビュープラス
Secret

TrackBackURL
→http://hontasu.blog49.fc2.com/tb.php/3246-25d12030