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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は
  二十四節気のひとつ、白露
  露がかたまって白くなるということだが
  秋も徐々に深まる頃だ。

    姿見に一樹映りて白露かな     古賀 まり子

  そしてこれからは
  食欲の秋でもあって
  そんな季節にぴったりなのが
  今日紹介する
  平松洋子さんの『あじフライは有楽町で』では
  ないだろうか。
  今日の書評の冒頭で
  いちじくを買う話を書いたが
  私の実家には昔
  いちじくの木があって
  それはそれはたくさん食べたものです。
  本当に久しぶりに
  一個頂きました。
  ごちそうさまでした。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  平松洋子さんの食べ物愛は半端ない                   

 自慢するわけではないし、自慢できることでもないが、一人でスーパーに買い物にはめったに行かない。そんな私がついふらふらとスーパーの果物売り場に立ち寄って1パック300円ほどのいちじくを買ったのは、平松洋子さんのこの本を読んだせいだ。
 この本は週刊文春で連載された平松さんの食べ物エッセイをまとめた文庫オリジナルなのだが、その中に「いちじく祭り」というエッセイがある。
 「いつも九月に入ったころから待ちもうける、正味一ヶ月ほどのみじかい味」いちじく。
 そのいちじく賛歌の文章に読んでいるこちらの方もたまらなく、そういえばいちじくっていつから食べていないんだっけと、あとはひたすら食べたくなった。
 平松さんの文章は食をそそるのだ。

 何しろ平松洋子さんの食べ物愛は半端ない。
 食べ物を表現する文章のおいしそうもたまらないが、一瞬にして味を切り取るような一言もいい。
 例えば、煮物の味わいについて「さっと煮るおいしさ、味の染みたおいしさ」と二種類の違うおいしさがいいと言い切る力。
 例えば、「鮎は自然環境の化身」という一言。
 うまい! テレビのグルメ番組のレポーターには言えない一言だ。

 このエッセイには食べ物の材料、料理、さらにはお店の紹介もあって、タイトルの「あじフライは有楽町で」は有楽町東京交通会館地下にある「キッチン大正軒」が主人公である。
 以前別の平松さんのエッセイに誘われてこのお店に行ったことがある。小さいお店ながら行列ができていて驚いたが、また行きたくなってしまった。
  
(2017/09/07 投稿)

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