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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は、昨日の『人生という名の手紙』につづく、
  ダニエル・ゴットリーブさんが書いて、
  口調が穏やかな児玉清さんが監修した、
  『人生という名の先生』。
  書評のなかにも書きましたが、
  どうもこの書名はいただけないですね。
  あまりにも似すぎてまぎらわしい。
  本屋さんに行っても、困る。
  いっそのこと、「パート2」みたいにしちゃった方が
  よかったかも。
  でも、それに相乗りして、書評のタイトルも
  前作とほぼ同じにしたのは、ご愛嬌。
  もし、どちらか一冊を読むとしたら、
  どちらを勧めるか。
  2冊はなしよ。って、追い詰められたら、
  どうするか。
  感動という点では、前作『人生という名の手紙』。
  じっくり考えるとしたら、この『人生という名の先生』。
  でも、
  やっぱりよく似ていて、
  どちらがどちらかわからなくなりそう。

人生という名の先生人生という名の先生
(2009/05/13)
ダニエル・ゴットリーブ

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sai.wingpen  ビタミンH                     矢印 bk1書評ページへ

 前作『人生という名の手紙』とよく似た書名がついているが、趣きはまったくちがう。原題ではそれがよくわかる。
 前作『Letters to Sam』は、30代に交通事故で四肢麻痺の障害者となった精神分析医の著者ダニエル・ゴットリーブ氏が、自閉症の孫サムに宛てた手紙を通して、生きることを問いかけるものであったが、本作『Learning from the Heart』は、さまざまな「心」の問題を、時に自身の経験を交えながら、説ききかせる書である。
 『Learning from the Heart』を直訳すれば「心から学ぶこと」になるのだろうが、日本語訳書名の『人生という名の先生』よりは、うんと本書の内容をよく表しているように思う。同じ著書ということはあるだろうが、出版社のこだわりが結果として、曖昧な書名にしてしまっているように思う。

 前作の書評を書いた際に「ビタミンL」というタイトルをつけた。それは、あの本が人生(life)全般にヒントに与える「ビタミン本」という意味でつけたものであったが、今回は「ビタミンH」としたいところだ。つまり、心(Heart)を勇気づける本として、そう呼んでもいい。
 本書では「幸せを目指すのではなく、体験する」「傷は治すのではなく治るもの」などといった30のテーマにそって書かれているが、大きなテーマは「今の自分自身を受け入れる」ということであろう。
 四肢麻痺となった著者は自分一人ではトイレにもいけない重度の障害者である。そのことによるストレス、悲しみ、不満、怒りを氏は隠そうとはしない。立ち上がりたい、歩きたい、ひとりでトイレにいきたい。しかし、氏はそれらを叶えることができない。だとしたら、氏には絶望しかないのであろうか。本書のなかで、「わたしはこの障害のおかげで、今のようになれた」とまで言い切れるほど、自身の現実を受け入れている。

 氏と比べても、私たちはあまりにも何かを求めすぎている。
 お金がない。もっと欲しい。地位が低い。もっと認められたい。おいしいものが食べたい。いい服が着たい。まるで常に飢餓である。
 そういう心のありようが、自ら幸福を遠ざけていないか。
 今あるそのままを受け入れることで、そんな窮屈な生き方から解放されるとすれば、あなたはどちらを選ぶだろう。
 その答えが、この本のなかに、ある。
  
(2009/10/09 投稿)

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