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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日
  尾崎真理子さんが丁寧に描いた
  詩人谷川俊太郎さんの半生
  『詩人なんて呼ばれて』を
  紹介しましたが、
  このブログも9年も続けていると
  谷川俊太郎の本も
  たくさん紹介していて
  せっかくなので
  今日は
  岩波文庫から出た
  『自選 谷川俊太郎詩集』を
  再録書評で紹介します。
  谷川俊太郎さんの詩を
  読むには
  最適の一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  「どきん」となった岩波文庫                   

  岩波文庫は、昔ほどではないにしろ、他の文庫本にはない格式のようなものがある。
 それがブランドの持つ強みだろう。
 他にさきがけて作られた文庫本(創刊は昭和2年。今でもその当時岩波茂雄を記した「読書子に寄す」という文章が巻末に載っている)ということもあるが、精選されたラインナップが岩波文庫の品格になっている。
 流行作家であろうとベストセラーであろうと、時間という評価をくぐららないと、岩波文庫にはならない。
 そこに、谷川俊太郎の自選詩集がはいったのであるから、これは驚きとも感動ともいえる。

 谷川俊太郎は幸福な詩人である。
 二十歳の時の処女詩集『二十億光年の記憶』の刊行以来、八十一歳になる今日まで詩人であり続けたのだから。そして、こうして岩波文庫の一冊として収められたのだから。
 「六十年以上詩を書き続けて」きた谷川はこの文庫本の「まえがき」に、「この機会に自分の年齢による変化の跡をたどってみるのもいい」と書いているが、やはり他の文庫本にはない高揚感のようなものを、谷川なりに感じたともいえる。

 「ときどき昔書いた詩を詠み返してみることがある/どんな気持ちで書いたのかなんて教科書みたいなことは考えない/詩を書くときは詩を書きたいという気持ちしかないからだ」というのは、本書に収録されている「夕焼け」という詩の一節である。
 だから、この詩集、谷川が今までに書いてきた二千数百におよぶ詩から精選された一七三篇の詩が収められている、にあるのは、その時々の「詩を書きたいという気持ち」の発露といっていい。
 「二十億光年の孤独に/僕は思わずくしゃみをした」(「二十億光年の孤独」)と書くのも、「限りなく無力な/巨人になりたい」(「美しい夏の朝に」)と書くのも、「うんこよ きょうも/げんきに でてこい」(「うんこ」)と書くのも、谷川俊太郎という詩人の生み出した言霊だ。

 これから詩を読んでみたいと思う人、谷川俊太郎の詩の業績に触れてみたい人、かつて谷川にあこがれ読んだ人、それぞれにとって、岩波文庫の一冊となったこの詩集はうれしい。
 谷川の良き理解者山田馨氏による解説も丁寧にできている。
  
(2013/04/13 投稿)

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