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プレゼント 書評こぼれ話

  未来の人は
  2017年の経済史を振り返った時
  東芝の一連の問題を
  どう分析するのだろうか。
  少なくとも
  東芝問題は
  今年の経済界の大きなウエィトであったし
  それらもあって
  多くの関連本が出版された。
  しかし、年の瀬も押し詰まった時点で
  東芝は破綻しなかったのも事実だ。
  日本の原子力事業の問題もあり
  東芝問題は
  単に一企業の浮沈ではないのかもしれない。
  そんな2017年、
  奇しくも
  東芝で社長を務めた
  西室泰三西田厚聰が亡くなった。
  今日紹介する
  児玉博さんの『テヘランからきた男 西田厚聰と東芝壊滅』は
  生前の西田厚聰とのインタビューを収めた
  刺激的な一冊となった。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  社長がアホやから                   

 若い人は知らないかもしれないが、かつて阪神タイガースのスター選手だった江本孟紀氏が「ベンチがアホやから野球ができない」と暴言を吐いたことがある。
 きっと東芝の従業員もこう言いたいだろう。
 「社長がアホやから仕事ができない」。
 江本氏はこの発言のあとタイガースを退団したが、東芝の多くの従業員も会社を去っている。

 東芝の一連の問題の元凶には歴代の社長の資質の問題がいわれている。
 その中のひとり、西田厚聰がこの本の主人公である。
 衝撃的なタイトルが示す通り、東芝の15代め社長となった西田は早稲田大学から東京大学大学院に進み、西洋政治思想史を学んだ。あの丸山眞男から薫陶を受けたイラン人の女子学生と恋愛におち、イランで結婚式をあげる。
 その関係で西田はイランで東芝の合弁会社に現地採用される。
 西田が東芝に本採用されるのは、31歳の時。
 当然他の同僚たちとは大きく出遅れている。
 しかし、西田は持ち前の力量でさまざなな困難を乗り越え、特にパソコン事業で東芝の名を飛躍的に高め、2005年社長に就任する。
 そして、西田はその在籍期間中に現在の東芝の苦境の原因ともなった原子力事業に積極的に乗り出す。

 西田の経歴を丁寧にたどったこの本を読むと、社長になるまでの西田についてとても魅力的なビジネスマンに見えた。
 原子力事業も正しい情報があがっていれば、それを選択しなかったかもしれないとも思えた。
 しかし、終りの章の著者とのインタビューで、西田の魅力はいっさいなくなった。
 もしかした西田がいう通り、その責は彼の後任の佐々木則夫にあったかもしれないが、そのことを決めたのも西田であるとするなら、いくら言いつくろうと、西田の責任は逃れられないのではないか。

 そして、西田はこのインタビューのあと、12月8日に亡くなる。
 西田はインタビューでも大学院を去った本当の理由を話していないが、その死にあって、学究に残ればよかったと悔やむことはなかっただろうか。
  
(2017/12/28 投稿)

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