02/06/2018 翔ぶが如く 三(司馬 遼太郎):書評「西郷隆盛とは、何者なのであろう」
書評こぼれ話
NHK大河ドラマ「西郷どん」を
楽しく見ている。
なんといっても
西郷隆盛役の鈴木亮平さんが適役で
もしかした
西郷隆盛とは本当にこんな顔、
こんな背丈だったのではないかと
思ってしまうぐらいだ。
ドラマはまだ吉之助と呼ばれている
青年時代だが
司馬遼太郎さんの『翔ぶが如く』は
晩年の西郷隆盛を描いている。
今回はその三巻め。
まだまだ先は長いでごわす。
じゃあ、読みもおそう。(あれ、おかしい)
西郷隆盛とは、何者なのであろう
文庫本にして全10巻の大長編のまだ3巻めである。
明治維新を経てまだ誕生してわずかの明治政府は征韓論という国を二分する政策論議のあと西南戦争という大激震が起こる、その姿を描いた作品で、この3巻では後に「明治六年の政変」と呼ばれることになる十月十五日の廟議から始まる。
歴史の本にあるように、征韓派はいうまでもなく西郷隆盛で、非征韓派は大久保利通である。
一旦、大久保側に優位かと思われた議論ながら、結果は征韓派が勝利する。
しかし、太政大臣三条実美の急病により代理となった岩倉具視がそれを拒否し、西郷は参議を辞任、鹿児島へと帰ってしまう。
西郷のあとを追うように、多くの薩摩人が帰省する中、岩倉具視襲撃事件が翌明治七年一月十四日起こる。
その犯人を追うのもまた薩摩人川路利良という大警視。
3 巻で描かれているのは、時間でいえばおおよそこのような次第である。
この長編が明治の英雄西郷隆盛を描いているのは間違いない。
すでに先の2巻でも西郷の性格なりが数多く点描されているが、この3巻でもそうだ。
「西郷とは、何者なのであろう」と、あらためて司馬はこの3巻で問うている。
「かれは本気で正義が通るものだと思っていた」うんぬんと続く、その評価は高い。
また別のページには「西郷が同時代人にも後代のひとびとにも形容しがたいほどの詩的情感をもって敬愛」と書く。
西郷に対して大久保という巨魁がいるが、司馬はやはり西郷という詩的情景を愛していたような気がするが、結論を求めるには先はうんと長い。
(2018/02/06 投稿)
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晩年の西郷隆盛を描いている。
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西郷隆盛とは、何者なのであろう
文庫本にして全10巻の大長編のまだ3巻めである。
明治維新を経てまだ誕生してわずかの明治政府は征韓論という国を二分する政策論議のあと西南戦争という大激震が起こる、その姿を描いた作品で、この3巻では後に「明治六年の政変」と呼ばれることになる十月十五日の廟議から始まる。
歴史の本にあるように、征韓派はいうまでもなく西郷隆盛で、非征韓派は大久保利通である。
一旦、大久保側に優位かと思われた議論ながら、結果は征韓派が勝利する。
しかし、太政大臣三条実美の急病により代理となった岩倉具視がそれを拒否し、西郷は参議を辞任、鹿児島へと帰ってしまう。
西郷のあとを追うように、多くの薩摩人が帰省する中、岩倉具視襲撃事件が翌明治七年一月十四日起こる。
その犯人を追うのもまた薩摩人川路利良という大警視。
3 巻で描かれているのは、時間でいえばおおよそこのような次第である。
この長編が明治の英雄西郷隆盛を描いているのは間違いない。
すでに先の2巻でも西郷の性格なりが数多く点描されているが、この3巻でもそうだ。
「西郷とは、何者なのであろう」と、あらためて司馬はこの3巻で問うている。
「かれは本気で正義が通るものだと思っていた」うんぬんと続く、その評価は高い。
また別のページには「西郷が同時代人にも後代のひとびとにも形容しがたいほどの詩的情感をもって敬愛」と書く。
西郷に対して大久保という巨魁がいるが、司馬はやはり西郷という詩的情景を愛していたような気がするが、結論を求めるには先はうんと長い。
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