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プレゼント 書評こぼれ話

  今日は月に一度の読書会の日。
  先月はゴールデンウイークでお休みだったので
  一ヶ月ぶり。
  前々月の読書会で
  朝井まかてさんのことが話に出て
  そこから
  何作か朝井まかてさんの作品を
  読んできました。
  そして、今日も
  『銀の猫』という
  作品の紹介です。
  この作品でもそうですが
  うまいですよね。
  でも朝井まかてさんには
  江戸ではなく
  大坂を書いてもらいたい。
  と、あくまでも
  関西びいきの感想。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  介護小説もさまざまあるが、これは読んでおきたい                   

 江戸は天保年間、「長寿の町」だったようで、「七十、八十の年寄りはざら、百歳を過ぎた者も」いた。そうなれば、現代と同様介護も必要になり、もっともお金もかかるからそれなりの身分や資産があるものしか他人の介抱を受けることもままならないのも今と似ている。
 朝井まかてさんのこの連作短編は、そんな時代に「身内に代わって、年寄りの介抱を助ける」介抱人を生業にしているお咲という女性を主人公にして、介護の難しさを時代小説に溶け込ませた意欲作だ。

 お咲は実の母親の佐和がお咲の婚家から借金をしたおかげで離縁され、その返済まで負わされている。そのために「鳩屋」という口入屋から介抱を求める家を紹介してもらって奉公にはいるという段取りで生活をしている。
 佐和とは喧嘩が絶えず、貧しい長屋暮らしから抜け出すこともままならない。
 いつの時代も介護の苦労は変わらずで、それでもお咲が得意先から評判がいいのは、つらい婚家での生活ではあったが舅の仁左衛門の介護で心を通わせる充実した日々を経験したせいだ。
 そんな舅からもらったのが小さな、銀の猫の根付。
 これがこの連作短編集のタイトルにもなっている、第1作目の題名の由来。

 朝井まかてさんが『恋歌』で直木賞を受賞した2013年から2016年にかけて「オール讀物」に三か月おきに連載した8つの作品は、季節の風物、植物、食べ物をふんだんに織り込み、江戸の人たちの生活ぶりを通して、年老いたものたちとの理想とする生き方を描いて、考えさせる。
 正面きって「介護」の問題を論じるのではなく、こういう小説で考えてみる方がいいような気もする。
  
(2018/06/02 投稿)

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