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プレゼント 書評こぼれ話

  昨日の『回想 太宰治』は
  野原一夫さんという編集者から見た
  太宰治でしたが
  今日紹介する
  『回想の太宰治』は
  妻である津島美知子さんの眼から見た
  太宰治です。
  野原一夫さんの作品はうんと昔に読んだことがありましたが
  津島美知子さんのこの本は
  初めて読みます。
  といっても、
  初版が1978年で
  この増補改訂版も1997年のものです。
  この時には
  津島美知子さんは亡くなっていて
  「あとがき」を記しているのは
  園子さんと里子さんの
  二人の遺児です。
  津島里子さんは
  いうまでもなく
  作家津島佑子さんです。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  妻の眼から見た太宰治                   

 太宰治の短い、わずか39年の生涯において、なんとも色濃い女性との関係があるが、唯一彼の本名である「津島」姓を自分のものとした女性が、本作の著者津島美知子さんである。
 情死した相手山崎富栄さんは「愛人」であるが、美知子さんはれっきとした「妻」である。
 だから、この回想記は「妻」の眼を通してみた太宰治であり、ある意味で山崎富栄さんが知ることのなかった津島修治としての回想である。

 美知子さんが太宰と井伏鱒二を通じて知り合ったのが昭和13年(1938年)。太宰29歳、結婚を機に生活を一新しようと決意した。 この時、美知子さんは26歳。
 確かにこのあと、太宰にとって平安な暮らしと作家としての充実の日々が始まる。
 しかし、時代は戦争へと突入していく。
 三鷹を焼き出され、甲府もまた戦火にあい、太宰たちは生まれ故郷の青森・金木での生活を余儀なくされる。
 しかし、もしかしたら終戦をはさんだ金木での生活が太宰の亡きあと、美知子さんを支える糧になっていたかもしれない。
 この回想記に収められた太宰の生家の様子、父や母、兄や姉のことは、山崎富栄さんには絶対書けなかった事柄で、「妻」美知子さんだからこそ書けた真実だろう。

 時に美知子さんの視点は冷たくも感じることもあって、もしかしたら太宰にとって山崎富栄さんやほかの女性は癒しのようなものがあったかもしれない。
 美知子さんはいう。
 「太宰がその作品に書いている自分自身のこと、それが彼の「自画像」なのだ」と。
 そして、そんな太宰を見ている美知子さんもまた「自画像」を書いたかもしれない。
  
(2018/06/20 投稿)

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