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プレゼント 書評こぼれ話

  あれは何年前の
  元旦の新聞であっただろう、
  葉室麟さんが山本周五郎さんの作品を読むなら
  特にこれをと薦めていたのが
  『日本婦道記』でした。
  その記事をきっかけに
  それまで触れることのなかった
  山本周五郎文学を読むことになったのですから
  葉室麟さん、さまさまです。
  葉室麟さんが亡くなって
  もう半年以上経ちますが
  こうしてまた新しい本が出ました。
  『洛中洛外をゆく。
  葉室麟さんの思いが
  伝わってくる一冊です。

  じゃあ、読もう。

  

sai.wingpen  死もまた、良しと葉室麟さんは語ったけれど                   

 この本の帯に「死もまた、良し」とあります。
 これは昨年12月に急逝した作家葉室麟さんがインタビューの中で口にした言葉です。
 その時、葉室さんがどこまで自身の死を自覚していたのかはわかりませんが、この本に収められたインタビューにこうあります。
 人は、それなりに働いて、最期に成仏していくその過程の果てに「死」があると、葉室さんは言います。つまり、死ぬということは生きてきた証で、自分自身が「ちゃんと生きてきた」と言えるのであれば、「死もまた、良し」だと。
 それでも葉室さんの66歳という年齢でのお別れはまだ若すぎたと、今でも思います。

 この本はタイトルでもわかるように、葉室さんが愛し、一時は住処ともした京都を舞台とした3つの作品を、その舞台と背景と、その作品に込めた葉室さんの思いを、インタビューや京都の名所案内も交えながら、紹介したものです。
 3つの作品は『乾山晩愁』『墨龍賦』『孤篷のひと』で、芸術家の生涯を描いたものになっています。順に尾形光琳・乾山、海北友松、小堀遠州です。
 葉室さんがこのような芸術家を描く時、自身の創作への思いが投影されていると感じることが多くあります。
 また、本作の中のインタビューでも、そのようなことを話されています。

 葉室さんは海北友松の思いに寄せて、こう語っています。
 「見えているものがあるならば、書いて書いて、書き通したい。でないと自分は決して納得がいかないだろう」
 そこまでの思いで書き続けてきたからこそ、葉室麟さんの作品の熱にうたれるのだろう。
  
(2018/08/03 投稿)

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